【プロ講師が解説】総合型選抜(AO入試)で合格する志望理由書の書き方
総合型選抜入試(総合型選抜(AO入試))・推薦入試ではほとんどの場合、必須の出願書類となっている志望理由書。もっとも大切な書類と言っても過言ではありません。
実際に採点において志望理由書占める割合は高く、50~70%にもなっていると言われています。。そこに書かれたことを元に面接などの2次試験が行われることもあり、1次試験2次試験通じて、合格に大きな影響を与えます。。
そんな志望理由書について、「書き方がわからない!」「どうやってクオリティを高めるの?」など、疑問はありませんか?
この記事ではルークス志塾の池袋キャンプ長が、よくある志望理由書に関しての質問や悩みにお答えし、書類の全貌をわかりやすくまとめました!
志望理由書とは何か? 書き方はどうすれば良いの?
志望理由書とは何か
志望理由書は大学と自分を繋ぐ架け橋です。志望理由書では、あなたがなぜその大学に行きたいのか、その大学に行って何を学び、どんな風に大学や社会に貢献していきたいのかを書く必要があります。
ただ志望大学に行きたいを書き連ねるだけではいけません。一方的に大学への想いを連ねるだけではなく、大学がどんな学生を求めているのか、何を学べるのか、自分の志とどう繋がっているのか、などを踏まえて書く必要があります。
志望理由書を書く前に自己分析をしよう
皆さんがまず取り掛かるべきは、自己分析です。総合型選抜では自分が何に興味があるのか、それはなぜなのか、根拠をもって説明していく場面が数多くあります。日頃何となく考えていることや、何となくおもしろいと思っていることなどを丁寧に検証し、自分の興味関心をクリアにしていきましょう。明確で説得力のある志を書くためにも、まず自分を知ることが大切なのです。
自分について知ることはできたら次は、志望大学、そして社会にまで目を向けて調べてみましょう。自己分析で知ったあなたの興味あることは、はたしてその大学で探求することができるのかどうか。また、社会ではどのように認識されているのか。その分野が抱えてる問題や可能性についての知見を増やしていきましょう。
志望大学について調べるには、アドミッションポリシーを読むこと、オープンキャンパスに行ったり、実際に教授の話を聞いたりすることなどがお勧めの方法です。
志望理由書の書き方にそって、まずは一回書いてみよう!
まずは書き始めることが大事
志望理由書はとりあえず1回書き切ってみることが重要です。一通り書いてみると、自分で明確になっていない部分を把握することができるからです。そこで志望理由書を書けるように、まずは書き方を解説していこうと思います。
志を簡潔に示す
自分が将来目指す「志」や「ゴール」を設定し、それについて簡潔に示しましょう。志とは「利他的な目標」のことです。自分が達成したい志を、誰が見てもわかるように「具体的に、簡潔に」提示しましょう。教授に、何を訴えたいのかを提示して読み進めてもらえるように、簡潔に書きましょう。
全体の1割程度の分量、場合によっては1文で、志を掲げてください。
ex.)社会に貢献したいこと、将来なりたいもの、将来就きたい職業、理想とする社会など
志を抱いたきっかけを語る
次に、あなたが志を抱くようになったきっかけを書きましょう。
ここで重要なことは2つです。1つはあなたが本気で志を実現させたいと思っていると示すこと。もう一つは、その志が社会に必要だと示すことです。そのためには、背景にあるあなただけの「ストーリー」をリアリティのある文章で表現する必要があります。
実際にその場面を想像し、想いに共感してもらえるような書き方をすることを意識しましょう。いつ、どこで、誰と、どんな言動で、どんな感情を抱いたか、などを具体的に描いてみてください。感情の揺れ動きを表現できれば、志 望理由がグッと伝わりやすくなります。
ex.)これまでの人生を振り返って感じてきたこと、分岐点となったこと、どこかへ行った時に実感したことなど
問題発見
①で 提示 し た 志 を 実 現 するには、その過程でで必ず課 題 や問 題 に直面することでしょう。 こ こ で は 、具 体 的 に み な さ ん が 持 っ て い る 問 題 意 識 を 明 確 に す る た め に 、「 何 が 、 な ぜ 問 題 な の か 」を 論 理 的 に 書 き 、読 み 手 が「 こ れ は 取 り 組 む べ き 必 要 / 価 値 が あ る 」と 思 っ て も ら え る よ う な文章を目指します。
問題自体を把握できていないと具体的な解決方法や、そのために必要な大学での学びがわかりません。またこの分析は、自身の思い込みだけで進むことのないように客観的にしていく必要があります。文献調査やフィールドワークなど、時間と労力をかけて調査して、問題と現状を分析しましょう。
この「分析」段階においては、不足してる情報を調べて、付け足し、また更に調べるというサイクルを続けることが大切です。志望理由書を読む教授は研究者ですから、いくら調べても調べすぎということはありません。
【Step Up Points!!!】
問題を分析する前に「何が問題なのか」を文章にすることが非常に大切です。例えば「地球温暖化」は、それだけで問題であるかの様に感じますが、地球温暖化によってもたらされる利点があることも事実です。しかし、「地球温暖化によって海面上昇などが起き住む場所が失われてしまう人たちがいる」、「絶滅してしまう種がいる」などは地球温暖化の問題と言えます。このように「何が問題なのか」を定義付けることで問題を分析が深いものになっていきます。
フィールドワークの一環としては、自分が問題意識を持ったことについて、”最前線の人に話を聞く”というのが非常に効果的です。実際に足を運んだり、直接人に話を聞いた経験は、文章の説得力を高めます。
問題解決方法を提示
③で分析した問題をどうやったら解決できるかを提示しましょう。未来でどのようになっていたら良いかを考え、書きまとめてみましょう。ブレストなどを利用して案を出していくのがオススメです。ここで注意しなければならないポイントはなるべく“大学で学ぶ領域”と結びつけて解決策を提示することです。どんなに良い解決策を提示しても、それが大学の学びと関連づいてなければ志望理由書としてまとめ上げることが難しくなります。
【Step Up Points!!!】
問題解決方法がある程度固まったら、それを今の自分にできる範囲で実際に行動に移してみるのも効果的です。身近なところからでも実践してみることで見えてくるものがあり、考察も深まります。また、行動に移すことで志への強い気持ちを示し、説得力に繋がります。
大学での学び
④で書いてきた解決方法を大学で学ぶことと結びつけて明記しましょう。マッチングを図ることが総合型選抜(AO入試)の意図の一つですから、どこの大学でもできる様な内容でまとめず、志望校の特徴やアドミッションポリシーを理解し、大学が求めている人物像に沿った主張をすることが大切です。大学に入って、学びたい教授や、やりたいプロジェクトなどを伝え、「その大学だからこそ実現できる!」ということを伝えられるといいでしょう。
具体的には以下の4つの要素を入れて組み立ててみてください。
①自分の解決法はどんな知識・技術があれば実行できるのか
②自分が履修したい授業は何か
③②の授業ではどんなことが学べるのか
④自分の入りたい研究会、教わりたい教授について
実際の志望理由書を見てみよう
ルークス志塾の学生が、実際に立命館大学に提出した志望理由書を紹介します。
志望理由書の例文
農家はもういらない。これは、農家の収入の低さに絶望した農業大学の学生の生の声だ。
日本の農業人口は年々減少しており、このままでは農業を守ることができない。
そこで私は農業を若者の職業選択肢にする環境を作り、農業を発展させ広めていきたい。(「志を簡潔に示す」の部分)
私の実家は農業を営んでおり、私はずっと農業を身近に感じてきたが、周りの農地は売却され、商業施設や住宅街に変わり、どこか寂しさを感じていた。さらに、農家の高齢化、若者の農業参入者が減っている現状を知り、このままでは農業が無くなってしまうと危機感を覚えた。(「志を抱いたきっかけを語る」の部分)
そこで若者が農業に参加しない理由を知るため、SNSと千葉農業大学校にアンケート調査を行った結果、「経済面が不安」「マイナスイメージが強い」という回答が多かった。
実際に国は就農希望者に計300万円を交付しているが、就農には最低でも529万円必要とされ、20代の貯蓄額中央値154万円と合わせても足りない。さらに、Youtubeの農業系動画はマイナスな印象を受けるものが多い。また、中西ファームは「若者を惹きつける発信方法がわからない」そうだ。(「問題発見」の部分)
そこで私は「農家の安定性の実現」と「若者へのイメージアップ」を行い、「若者が農業に参加しやすい」農業の会社を設立し、最終的にはフランチャイズ化することで、地方から農業を展開し、最終的には日本中に広めていきたい。(「問題解決方法の提示」の部分)
この構想を実現するために必要なことは、経営、経済、食文化、AIを含むテクノロジーと多岐に渡る。このように「食」を総合的に捉え、学ことができるのは貴学しかない。
また、地方自治体や企業と連携し実社会の食の様々な課題に触れる機会も多くある。
このように知識と実践を繰り返しながら、学びを深める環境は魅力的だ。(「大学での学び」の部分)
私の構想を実現するため、貴学の学びは必要不可欠である。よって貴学への入学を誰よりも切望する。
志望理由書を書いた後のチェックリスト
志望理由書をいったん書き終えたら、以下のチェックリストに従って志望理由書を見直していきましょう。あたかも第三者のような客観的な視点を持って読み進めると、小さなミスにも気がつくことができます。
話の軸がブレていないか
「自分の経験や過去」と「将来なりたい像」と「その中間地点となる大学での学び」がブレずに一本の軸で成り立っているかを確認しましょう。いつの間にか論点がずれていたり、脱線してしまっていることがよくあります。話の軸をぶらさない為には、志望理由書を書く前に論理構成メモを作ることです。思いついたことをいきなりなぐり書きするのではなく、各段落毎の論理をまとめることがオススメです。
文体の統一
「です・ます」や「だ・である」など、文体は統一されていますか?総合型選抜(AO入試)の出願書類では、「だである」を選択し、志望理由書の文字数制限いっぱいまで書く受験生が多いですが、基本的には文体は”どちらでも良い“です。しかしこれらが統一されていることの方がはるかに重要です。これらが混在している文章は、読み手によってはコピペや手抜きな文章と認識されてしまいます。
他の人に読んでもらう
自分一人では気づけないミスがたくさんあります。必ず書き上げたら、一度他の人に読んでもらいましょう。特に自分が行きたいと思っている志望校の合格者・学生は、年齢が近く相談しやすく、新しい情報を持っているため的確なアドバイスを受けやすいです。
ルークス志塾には志望理由書のノウハウがあります
ルークス志塾には志望理由書を始めとする、総合型選抜(AO入試)対策のノウハウが十分にあります。また、志望校に合格し、通っている学生の指導を受けたり、同じ学校を目指す受験生と刺激しあえる環境が整っています。是非一度無料相談会にお越しください。
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