【高校生必見!】小論文の書き方を分かりやすく解説。書き出しや構成、勉強方法を紹介
小論文は、総合型選抜(AO入試)の二次試験によくみられる試験形式の一つです。
この記事では小論文の書き方や基礎を解説します。
そもそも「小論文って何?」という人は下記の記事から読んでみましょう。
「小論文」と「作文」の違いってなに?それぞれで求められる力についても解説します
私立大学入試における小論文導入の狙いとは?背景やポイントを解説します
就活や大学でも使える?小論文の勉強が何に役立つのかを解説します
小論文の書き方とは
小論文というと「自由に自分の意見を記述する」というようなイメージがあるかもしれませんが、厳密にいえばそれは間違いです。
小論文には、高得点を獲得するための決められた型があり、特に総合型選抜においてはその型を用いた答案が好まれる傾向があります。
ここでは、高得点を獲得するための小論文の書き方を解説します。
【1】結論から書こう
小論文では、自分の意見を簡潔に述べることが好まれます。そのため、一番最初に結論(自分の意見)を示しておきます。
序盤で方向性が示されている小論文はその後の展開もある程度絞られるため、読み手にとって読みやすい構成の文章になります。
結論から書くことは基本中の基本です。出題された問いに対してダイレクトに答えを書けているかが重要なポイントとなります。
【2】自分の意見とは異なる主張にも触れよう
小論文といっても、自分の意見だけを主張していては客観性に欠け、説得力に欠ける文章になってしまいます。
自分の意見と異なる立場の意見についても、文章中に取り入れましょう。
その上で、その立場について再反駁(その意見を踏まえた上での反論)ができるとベストです。
【3】ダラダラと書きすぎないように気を付けよう
「【1】結論から書こう」でも説明したように、小論文は簡潔であることが求められます。
そのため「長い解答=優秀な解答」ではない点に注意しましょう。
総合型選抜の小論文では、解答のための制限時間が設けられていることがほとんどです。
「長く記述しすぎて最後まで書けなかった……」ということを防ぐためにも、必要最小限の文章で解答を作成するように心がけましょう。
また、文章を書くスピードも意識し、素早く綺麗な字でたくさんの文章を書けるように練習しましょう。
【4】問いの答えはすべて問題文にある
小論文では「自分の考えを述べよ」という場合でもその手掛かりとなる文章は問題文の中にあることがほとんどです。
総合型選抜の小論文は、受験者の解答を点数化しなければなりません。つまり、問題の制作者はある程度「これが答えである」という模範解答を設定した上で出題しているのです。
そして、そのヒントは必ずといっていいほど問題文の中に隠れています。
問題文の中から、自分の主張となる部分を探しましょう。
【5】小論文における文章のルールを身につける
小論文では、普段書く文章とは違っていくつかの文章のルールも存在します。
- 比喩表現を使わない
- 口語的表現は使用しない(○○だと思う→○○と考える、なので→そのため等)
- オノマトペ(ガヤガヤ、ドンドン等の擬音)を使用しない
その他、原稿用紙を用いて解答する場合には原稿用紙の使い方にも注意が必要です。
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小論文の構成を学んで活用しよう
小論文は6段落で構成しよう
小論文にはある程度決められた文章の構成というものが存在します。
前項「小論文の書き方」でも紹介したような、「まずは結論から書き始める」というものです。
結論から始まり、下記に紹介する流れで6段落の文章を展開していきましょう。
【小論文の構成】
①主張:自分の主張(結論)の決定
②理由:自分の主張に対する根拠
③具体例:理由を裏付ける具体例の提示(字数や内容によっては省略可能)
④反駁:自分の主張と異なる他者の視点の提示
⑤再反駁:他者の視点に対する反論
⑥まとめ:自分の主張(必ず1と統一させる)
ルークス志塾でおすすめしている、基本的な構成は上記の通りです。
一般的な「3段構成」や「4段構成」よりもやや細かく規定していますが、総合型選抜で高得点を狙うためにはベストな構成だと考えています。
質問の形式によっては、上記の通りに構成すると違和感が生まれる場合もあります。
臨機応変に組み替えましょう。
また応用として、「5.再反駁」のところへ文中には出てきていない新たな案等を書いてみると、オリジナリティのある答案になります。
小論文の練習方法
今までは小論文の書き方を解説してきました。小論文のポイントは分かったけれど、どうやって身に着けていけばよいのか?と疑問に思っている方のために、上達の近道を解説していきます。
問題を繰り返し解く
まずは、当たり前ですが問題を繰り返し解くというものです。
特に志望校の過去問は重点的に対策しましょう。
小論文の解答は決まった形がないために自己採点が難しいです。
総合型選抜の小論文を指導できる先生に必ず添削をしてもらいましょう。
採点結果から改善点を見つけて次の問題を解く、というサイクルを繰り返すことがオススメです。
優秀な回答を書写する
こちらは、一人の時間にも対策できるおすすめの方法です。
問題を解き終えた後、優秀な生徒の解答や模範解答を控えておいてください。時間のある時に、その解答を別の紙に丸々書き写しましょう。
「ただ書き写すだけでは意味がないのではないか」と思われるかもしれませんが、優秀な回答には前項で紹介した「小論文の型」や「使えるフレーズ」等が盛りだくさんです。
読むだけではなく実際に書き写すことで身体が覚えます。
そして、自分の文章でも同じような構成・表現が使えるようになってきます。
また、書くのが遅いと感じている方には筆記のスピードアップも兼ねることができるおすすめの練習方法です。
構成だけの解答を作成する
こちらは、あまり時間の割けない方や本番前のおさらいにおすすめの方法です。
小論文の問題を開き、解答をすべて書くのではなく「構成」だけを作りましょう。
(前項で紹介した「1:結論」~「6:まとめ」の流れのことです)
小論文は、構成さえできてしまえば文章を完成させるのはそう難しいことではありません。
小論文を書き始めるのに時間がかかってしまう方や、構成を作るのが苦手な方にもおすすめの練習方法です。
小論文の出題パターンをおさえて効率的に対策しよう
総合型選抜における小論文には特徴があります
総合型選抜の小論文は、出題のパターンによっていくつかに分類することが可能です。
それぞれコツが異なるため、志望校の小論文はどのパターンに該当するのかをしっかり押さえた上で対策しましょう。
急に方式が変わることもあるので、できればすべて満遍なく答えられることが理想です。
【1】要約型
課題文が与えられ、それを要約する形式です。要約型だけで出題されることもありますが、多くの場合は、小問としてまずは要約、次にそれに関連して自分の意見という形の問題となります。
【2】資料分析型
グラフ等が出題され、それらを読み解いて解答する形式です。
グラフの示していることの意味や、グラフから読み取れる傾向の論述等を求められることが多いです。
【3】課題文型
課題文が出題され、それらから読み取れる内容を論述したり、要約する形式です。
社会問題が出題されている場合は、それらに対しての自分の意見を求められることもあります。
【4】テーマ型
短いお題が出題され、それらに対する自分の意見を論述する方式です。
自分の知識から意見を記述する必要があるため、出題テーマに対する理解や知識が求められます。
【5】講義理解力試験型
講義を聞いて、その内容について論述したり、要約する形式です。
他の出題形式と違って出題内容が「音声」なので、重要な点を聞き逃さずメモする能力や、講義の内容を自分で要約する能力も求められます。
小論文で対策しておくべき頻出テーマを解説
前項で、小論文には出題パターンがあると解説しました。出題パターンの中には、知識がなくてもその場で資料や講義を理解すれば記述できるものもあります。
しかし、出題文が短い「テーマ型」などでは知識がなければ書き始めることすら困難になってしまいます。
また、知識を必要としない出題形式でも、事前にそのテーマについて理解していれば出題文や課題中にはない新たな視点やアイディアを記述することができるので、周りと差のつく答案になります。
そこで、小論文を書く上で対策しておくべき頻出テーマを解説します。
頻出テーマは学部・学科の系統により大きく異なります。自分の志望する分野のテーマをチェックするようにしましょう。
また、どの学部においても「新型コロナウイルスと社会問題の関連」で出題する可能性があります。
関連ニュースは押さえておくようにしましょう。
【1】法律系
細かい法律を理解しておく必要はありませんが、基本的人権や憲法の主要なテーマ、法律の成り立ち等を理解しておくとよいでしょう。
また、法制度改正などの動きは出題されることがあります。法律関連のニュースチェックは欠かさないようにしましょう。
- 基本的人権の理解
- 法のあり方について
- 法と道徳
- 法と正義
- 憲法9条の解釈
- 死刑制度の是非
- 裁判員制度 等
【2】政治系
政治学科は三権分立などの基本的な政治の知識に加えて、近年の社会情勢が出題される傾向が多いです。国や自治体の政治の動きもチェックしておきましょう。
- 民主主義への理解
- 公共の利益と私権の関係
- グローバル化する社会
- 移民受け入れの是非
- 少子高齢化
- 働き方改革 等
▶慶應SFCの一般入試・小論文についてもっと詳しく解説しています
慶應義塾大学SFCの一般入試小論文で頻出のテーマを解説。学部ごとのポイントも紹介します
実際に問題を解いてみよう!小論文の過去問を解説
小論文の対策には「問題を繰り返し解く」ことが大事だとお伝えしました。
特に、志望校の過去問は絶対解いておくべきです!
何度も繰り返し解き、志望校の傾向を分析しましょう。
学校によっては、過去問を公開していないこともあります。
その場合、過去に受験したことのある先輩の話や、ルークス志塾に残っている受験情報を参考にするのがおすすめです。
▶おすすめの「過去問記事」はこちら
【SFC】慶應SFC一般入試 小論文の過去問解説
【FIT】慶應法学部FIT入試 B方式・総合考査の過去問解説
受験で使える小論文の書き方5ステップ
小論文対策のおすすめ参考書を紹介
前項で、小論文対策には志望する学部・学科に応じた教養や基礎知識を身に付ける必要があると紹介しました。
そこで、必要な知識を身に着けるためのおすすめの参考書やサイトをまとめました。
おすすめの参考書
ここでは、小論文の書き方を指導している参考書ではなく、小論文を書く際に必要な知識について身に着けられる参考書を紹介します。
特に『小論文の完全ネタ本』シリーズはテーマによって四冊に分かれており、参考書の少ない医療系や自然科学系に特化した知識を身に着けられるのでおすすめです。
- 池上彰『ライブ! 2022 公共、現代社会を考える』
- Z会編集部『現代キーワード読解』
- 神崎史彦『小論文の完全ネタ本』シリーズ
生きた情報に触れるためのツール
小論文では時事的な問題が問われることも多いです。
時事問題が来ても対応できるように、日ごろからニュースはチェックするようにしましょう。
【おすすめサイト】
- NewsPicks
- TED Talk
小論文は知識量が大事!オススメの参考書と活用方法を解説します
終わりに
小論文対策のコツを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
小論文は、対策がしにくい分「対策をしておけば必ず周りと差がつく」分野です。
しかし、小論文の添削などは、自分ひとりで対応するには限界があります。
ルークス志塾では、いつでも小論文のプロ講師があなたの答案を添削します。
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