合格者書類から学ぶ!慶應SFCの総合型選抜(AO入試)志望理由書を書く5つのコツを解説します。
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書の書き方は、合格者から学ぶべし!
「SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書って2000字もある!どう書けばいいの?」
「将来やりたいことはあるんだけど、どうやって伝えればいいの?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
たしかに、SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書は一般入試問題と違い
・赤本のような過去問がまとまった参考書がない
・合格者の志望理由書が高校にあまりない
などの理由から、どのように書けばいいかわからない、ということがあります。
また、志望理由書を書く上で
・何を学びたいかということ
・SFCがどういう研究をしているか
ということも盛り込んで書かなければなりません。
では、どうすればいいのか。
それは、合格者の志望理由書をたくさん見て学ぶことです。
そこで、この記事ではルークス志塾で実際に慶應SFCの総合型選抜(AO入試)に合格した人の志望理由書を見ながら、解説していきたいと思います!
志望理由書は5段階に分けて書こう
まずは志望理由書の書き方の基本をお伝えします。
「その書き方はわかってるよ!」という方は読み飛ばしていただいて構いません。
志望理由書の基本は「5段落で書く」ということ。
1.志
2.きっかけ
3.問題分析
4.問題解決の提案
5.大学での学び
5段落で展開することで、志望校に行きたい理由をしっかりと伝えることができます。
もっと基礎を詳しく知りたい方は「志望理由書の書き方の基本」をご覧ください。
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)志望理由書の書き方 5つのコツ
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書を書く時は、下記のことを意識してみましょう!
志は使命感が大切
「志望理由」の言葉の頭についている「志」。
「志」とは簡単に行ってしまうと「〇〇のために何かをしたい」という利他の心です。
つまり、志は自分がこうなりたいという夢ではなく、他者や社会をどうしていきたいかという使命であり、志望理由書においても「〇〇の職業に就きたい!」と言うのではなく、他者や社会をどうしていきたいか、というところまで明確にしておく必要があります。
また、志を明確にしておかないと、何を学びたいか書けなくなってしまいます。
きっかけは感情を入れ具体的に
きっかけは、あなたが志を抱いた理由であり、自分の気持ちを伝えるうえで、とても重要な部分となります。ですので、きっかけを通してあなたはどう思ったのか感情や体験を具体的に書くことで、話に深みを出していくことが大切です。
問題分析と問題解決はしっかり調べて書く
いいきっかけがあったとしても、
「すごく嬉しかった、悲しかった」
で終わってしまうと、ただの感想文になってしまいます。きっかけを通じて、どのように問題を捉え、解決案を考えたかということが大切になってきます。
慶應SFCは、アドミッションポリシーにあるように「実践」と「問題発見・解決」に拘る学生を求めています。ですので、社会問題などを取り上げ、自分なりの解決法を提示することが重要です。
(具体的な問題分析・問題解決は下記にある合格者の志望理由書を見ながら解説します)
具体的に何を学んでいきたいのかを書こう
「慶應SFCで学びたい!」というだけでは、志望理由として弱いです。
自分の学びはなぜSFCじゃないと実現できないのかということを明確にしておきましょう。
また、自分が学びたい教授がいる場合は、その教授の研究を調べ「〇〇教授のもとで学びたいです!」としておくと、意欲が強く伝わります。
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)合格者の志望理由書を使って、5段落を解説
では、実際に合格者の志望理由書を参考に、
「志望理由書はどうやって書いたらいいのか」
「学びたいことをどうやって伝えたらいいのか」
ということを意識して見ていきましょう!
志
《「キズナマン」と「浮遊霊」》この言葉は、2014年8月に起きた『黒子のバスケ』
連続脅迫事件の渡辺博史被告が綴った最終意見陳述に書かれていたものだ。
渡辺被告は、自分自身を「社会的存在ではない者」と表し、その原因は「安心」がないからだと主張した。
また、安心を「生きる力の源」そのものだと彼は述べ、幼いころから人や地域と繋がることができる者を「キズナマン」、その対義語として社会と繋がれず「安心」をもてない者を「浮遊霊」と称した。
私は将来、日本中の誰もが居場所を持ち、安心して暮らせる社会を実現したい。
社会と繋がれていない存在(=「浮遊霊」)をなくし、社会と繋がっている存在(=「キズナマン」)を増やすことによって、孤独を感じる人々が「安心」を手に入れられるような明るい日本の未来を創っていきたいのだ。よって、SFCへの入学を強く志望する。
志として
「安心して暮らせる社会の実現」を提示しています。ここでは、2014年の黒子のバスケ連続脅迫事件を出し「孤独を感じる人々が安心して暮らせる社会を実現したい。」と志を書いています。
このように具体的に自分の使命を明確にし、将来どうありたいかということを書いていくといいでしょう。
きっかけ
私がこのような志を抱いたきっかけは、スペインでのサッカー留学である。
名門アトレティコ・マドリード下部組織に異例の10歳で入団した私は、2年目にしてチームの中心選手となり多くの大会で優勝してきた。
私はそれらの栄光を数々のメディアで取り上げられ、大勢の人々から注目の的になっていたが、その裏では言葉や文化の違う異国の地で地域社会と関係をうまく持てなかった「孤独な私」がいたのである。
しかし、そんな私を唯一救ってくれた存在が、「公園」だった。孤独な時、近所の公園を訪れると、公園にいる人たちが見知らぬ私に「一緒にサッカーやろうぜ」と声をかけてくれたのを強く覚えている。そこから、公園でつながる地域の人々に愛着が湧くと同時に、誰かと繋がれることでの「安心感」を得た。
そんな誰とでも繋がれるコミュニティがあったからこそ、スペインでの「孤独」な私が徐々に「キズナマン」になることができたのである。
一方、約5年半のスペイン生活を終え地元へ帰ると、小学校時代の友人たちは様々な地域の高校に進学し、私が幼い頃から見てきた地元愛や繋がりというものがすっかり途絶えていた。
また、何より寂しかったのは、スペインで見た「誰とでも気軽に繋がることができる公園」が、日本には存在しないことだ。そんな地元を見て、胸が痛むと同時に、私は再び地域との繋がりを持たない孤独な「浮遊霊」へと逆戻りした。このような「キズナマン」と「浮遊霊」の体験から、私は渡辺被告の訴える陳述を他人事とは思わずにはいられなくなった。
「孤独な自分」や公園で感じた「安心感」など、
体験を通して、感じたことや考えたことが書かれています。具体的に書くことで、
・使命感(志)が強く印象付く
・あなたがどういう人か、何に疑問をもっているか
ということが伝わりやすくなります。
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書は2000字程度とかなり量があるので、きっかけは長めに記述し、文章に深みを出すといいでしょう。
問題分析
状況は違えど、私や渡辺被告のように孤独感を感じている人々はどれほどいるのか。
実際に詮索してみると、
2007年のユニセフイノチェンティ研究センターの調査で「自分は孤独だ」と感じる15歳の子供の割合が、29.8%と世界で日本がトップだということが明らかになった。
また、その原因の多くが「自分が普段いる場所は居心地が悪く、場違いだと感じる」という回答だと知ったとき、私はその孤独の原因の一つとして日本の伝統教育なども影響していると考えた。
集団行動や周りと合わせることが良いとされる文化が、そうした周りに合わせられない子どもを「孤独」にしているのではないだろうか。
実際、私の周りにも学校の中で上手く適応する能力を持てず「孤独」を感じている同級生や友人が少なくなかったのである。ゆえに私は、どんな子どもも受け入れ「安心」できる環境づくりが、行き場のない「浮遊霊」の子ども達にどうしても必要だと考えた。
問題分析は現状の問題を事例やデータを出し述べると良いです。
上記であれば、
1.「15歳の子供の割合が、29.8%」「 その原因の多くが… 」
2.「集団行動や周りと合わせる…だろうか。」
のように、1.原因の具体的な回答、2.結果を踏まえ自分の意見も述べられています。ただ、データを記述する場合は信頼できる情報源のデータを調べ、書くようにしましょう。
問題解決の案
そんなスペインと日本での経験がある私だからこそ、孤独を感じている人々、特に逃げ場のない人々に「安心」を届けるような場所を造りたい。また、そこに誰もが気軽に繋がれるような「タクティカルアーバニズム」の考えをもとに実現したい。
地域に住む人々の出会いを偶発的に生み出し、また地域活性にも繋がるなど様々なメリットが期待できる。例えば、私の近所の公園を具体例で挙げると、私が昔から好きだった盆栽を公園の中心に取り入れ「盆栽コミュニティ」を生み出すアイデアを考えている。
皆が自由に手入れを行える様々な種類の盆栽や植物を取り入れることで、
毎日多様な世代の人々が訪れ、手入れしに来る環境を生み出したい。そして、誰もが何気なく繋がり信頼関係を形成できる場にしていきたい。
このように、次々と形骸化している日本の公園を、みんなが何気なく「キズナマン」となれるような空間にし、本来のパブリックスペースを取り戻していきたいのだ。
③の問題分析を踏まえ
「誰もが気軽に繋がれるような…を実現したい」と自分で考えた解決の案を述べています。
また、実現するために「例えば、私の近所の…形成できる場にしていきたい。」と具体的な計画や考えも述べられています。
学び
しかし「タクティカルアーバニズム」というものを実際に街に取り入れ、地域の人々にとっての「グッドプレイス」を生み出すには、SFCの学びが必要だ。
様々なデザイン領域やまちづくりのノウハウを同時に学べるのはSFCだけである。
中でも「タクティカルアーバニズム」を実践されている水野大二郎教授のもと、デザインリサーチを通して一般市民の創造性を再発見、体系化、実践するノウハウを学びたい。また、加藤文俊教授のものでコミュニケーションという切口から「場」についても理解を深めたい。他にも、場の景観を考えていく上で、石川初教授の「ランドスケープデザイン」の授業も魅力的だ。
このSFCという最高の環境で「グッドプレイス」を実現し、「キズナマン」で溢れるような日本の未来を私が創っていきたい。
最後は、なぜSFCでなければ学べないのか、ということをしっかり書くことが重要です。
ここでは、
・デザイン領域やまちづくりのノウハウを同時に学ぶ
・学びたい教授の名前をあげ、SFCでしか学べない
ということをしっかり記述しています。
また、合格者の志望理由書の学びを見ることで、慶應SFCではどんな研究・授業をしているのかということも知ることが出来ます。
慶應SFCの総合型選抜(AO入試)の志望理由書を書くうえで大切なこと
やはり「自分の志を明確にしておくこと」です。志を明確にしておかなければ、書いていることに一貫性がなくなってしまい、「結局なにを学びたいの?」と思われてしまいます。
あなたの志望理由書はどうですか?志や学びは伝わるように書けていますか?
もし不安なら、合格者の志望理由書をたくさん見て学ぶ必要があります。
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