【解説】九州大学共創学部 討論の対策法
【プロ講師が伝授】九州大学共創学部
集団討論対策のポイント

はじめに
Loohcs(ルークス)志塾Webチームです。
今回は、九州大学共創学部の総合型選抜入試の二次試験で行われる、集団討論について詳しくまとめました。
共創学部の二次試験では、討論開始前に論題が提示され、議論を行います。
また、論題に関する資料も討論前に配布されるため、短い時間で資料の理解を深めることがポイントになります。
討論で見られているのは「討論にどれだけ貢献できているか」であり、貢献の仕方は何通りも存在します。自分に合った貢献の仕方を確立するには、討論を多く経験すること、どんな貢献の仕方があるかを知ることが重要です。
この記事では、主にどんな貢献の仕方があるかについて、共創学部の討論に沿ってまとめています。
ぜひ、最後まで読んでみてください!
討論の形式
共創学部の討論は1グループ5名程度に分かれ、実施されます。
論題と、論題に関する資料が、討論開始前に配布され、その資料をもとに、配布された論題について、グループで討論を行います。
例年は1グループ10数名で討論を行い、3名の試験官がいました。しかし、今年度は1グループあたりの人数が減ったことから、試験官が減ることも予想されます。
論題と資料は当日、討論前に配布され、30分間の考慮時間の後、約100分間の討論を行います。そして休憩の後、報告書作成を行います。
討論では、次のような項目に関して評価が下されます。
この討論では,
令和8年度総合型選抜Ⅰ(共創学部)学生募集要項 より
・資料から討論に必要な情報を収集し,討論に活用できているか
・自身の意見を論理的に説明できているか,発言に説得力があるか
・適切なタイミングで簡潔かつ的確な発言や応答ができているか
・グループとして最善の成果が得られるよう行動できているか
などを評価します。
また、「討論では、論題に対するグループで出した結論の内容ではなく、討論の過程を評価します。」とも明記されていることから、討論の最終的な結果ではなく、その過程での討論への貢献度が重視されていることがわかります。
加えて、今年からは集団討論後に報告書作成が実施されます。
そのため、討論の流れをしっかり捉え、それを客観的に述べる力も必要です。
2つのポイントで討論に大きく貢献できる!
ここでは、集団討論に貢献するためにやっておくといいことをまとめています。
特殊な入試だからこそ、対策が難しいと思っている受験生も多いはずです。そんな皆さんがすぐにでも実践できる対策を紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
論題を抜け漏れなく理解すること
まず重要なのは、論題を漏れなく正しく理解することです。これは、簡単そうで意外とできない人がとても多いんです。
特に共創学部のような、難しく、複雑な論題になると尚更難易度が上がります。
論題を理解するには、以下のポイントに注目して論題を見るといいでしょう。
①聞かれていることは何か?
②論題を考える上での注意点はどこか?
③言葉の定義
具体的に、次の例で考えていきましょう。
論題:中国以外の国々で、現在EVを普及させる上で存在している課題には、どのようなものがあるか考えてください。また、その課題に対して、どのステークホルダーの立場から取り組むか、適切なステークホルダーを1つ以上選んだ上で、解決策を論じてください。
この論題を先ほどのポイントに照らすと、このようになります。
①EVを普及させる上で存在している課題を聞かれている。
②中国以外の国々に注意する。
①課題に対しての解決策を聞かれている。
②どの立場から取り組むかに注意する。
さらに、これに講義で学んだ内容を反映させると、以下のように整理できます。

このくらい情報を整理することができれば、討論で話し合うべきポイントが明確になり、スムーズに進める事ができます。
また、こうやって整理すれば、最初の意見陳述ではこれを読み上げるだけでよくなります。
報告書作成に向けて、流れを読みながら議論に臨む
前述したように、今年から、集団討論の後に集団討論の報告書作成が実施されます。
ポイントとなるのは「報告書」であることです。感想文でも小論文でもないため、大切なのは自分の感想や意見を書くことではなく、集団討論をいかに客観的に捉え、流れをつかむことができているかです。
そのため集団討論をしている段階から、今何の話をしているのか、何が論点になっているのかを整理しながら、参加しましょう。
報告書作成の評価基準は
・論点や議論の結果が整理された報告書が作成できているか です。
つまり、様々な意見が出ることの予想される集団討論において、それらの意見をわかりやすく整理されることが求められているのです。
集団討論では、自分の考えを肯定してくれる意見もあれば厳しく批判をする意見もあるでしょう。そのどちらも、討論においては重要なポイントとなりうるので、報告書作成に向けてしっかりとメモを残すなどしておきましょう。
議論に必要な役割を知ることが貢献への近道
議論への貢献の仕方は様々ですが、ここでは議論内で必要な役割を紹介します。
これらの役割がいなければ議論を円滑に進めることはできませんが、当日は役割分担をする時間もありません。なので、必要だと判断したタイミングで自分がその役割を担えるようにしておくと、良いでしょう。
議論の過程、そして貢献度が重視されていることから、必要なタイミングで必要な役割を担い、討論に貢献することで、試験官への大きなアピールとなるでしょう。
タイムキーパー
タイムキーパーはグループ内で残り時間などを管理することを指します。
議論が盛り上がると、どんどん意見が出てきて時間が過ぎてしまうことがよくあります。
盛り上がるのは良いですが、複雑な論題においては、話し合うべきことがたくさんあるため、話し合うべき他の話題の時間が残らなかったとなってはもったいないです。
「残り時間があと〇〇分なので、次の話題について話しませんか?」と時間を意識させる一言があれば、議論をより有意義なものにできます。
賛同(+α)
賛同は他者の意見に「自分も同じことを考えていた!」「その意見、とてもいいと思う!」と賛同することを指します。
要は、他者の意見に対してリアクションをするということです
この役割のメリットは、納得、共感した意見に対して意思表示をすることで、意見を言いやすい雰囲気にすることができることです。逆に、意見を言ってもそれに対して誰も賛同しないような雰囲気では気持ちよく討論ができません。
そういった点では、賛同は小さな役割に思えますがとても重要なのです。
また、単に賛同するだけでなく、他者の意見に付け加えて新しいアイデアや考え方を共有することができれば、より幅広く深い議論にすることができます。これが賛同(+α)です。
これは全体の雰囲気を良くするだけでなく、自分の考えをアピールすることにもつながるので、これができれば貢献度は高いと言えるでしょう。
批評
批評は賛同と同じように、他者の意見に対してリアクションをすることです。
批評とは良い点・悪い点などを指摘することですが、ここでは主に悪い点を指摘することを意味します。
他者の意見に賛同することがあれば、もちろん賛同できないこともあります。相手の意見のあらを探すような行為に思えますが、議論をより深く発展させるために必要な役割です。
相手の意見の矛盾点を指摘したり、実現可能性について問うなどの批評を行うことで、よりグループ全体の意見が深まります。
ただし、討論はあくまで建設的な議論の場ですので、論理立てて批評を訴えましょう。
そして、できれば相手の意見をもっと良いものにするにはどうすればいいか、ということまで話せると、議論がさらに前に進みます。
批評は言葉を選ばなければ喧嘩腰のように伝わってしまう可能性がありますが、話し手も聞き手も「建設的な議論」を意識しておくことで誤解が防げます。
まとめ役
まとめ役は、話題ごとに議論した内容を要約して共有するような役割です。
討論中は挙手制の発言形式であるため、うなずきなどでリアクションすることが多いです。
しかし、うなづいたり首をかしげるだけでは必ず認識や理解の齟齬が生まれ、討論が進むにつれてどんどん話が噛み合わなくなってしまします。
そのため、まとめ役が全体で共通の認識を揃えてから次の話題に移ることで議論をより円滑に進めることができます。
まとめは最後の総括だけではなく、最初や討論中盤でも役割を発揮することができます。
例えば、最初に論題を読んで「共創」「いじめ」「貧困」など抽象的な言葉があったとします。全員が同じようなことを思い浮かべるかもしれませんが、そこにはきっと小さな差異が生まれるはずです。
そのため、まずは抽象的な言葉の定義を行うなどのまとめもまとめ役としては、討論の方向性を示すという意味で大きな役割を果たせる場となります。
また、討論の中盤でも、「ここまでの話をまとめると○○ということで良いですか?続いては△△について話し合いましょう。」というように小まとめを挟むことで、論の流れをずらさず、話し合う助けができます。
このようにしてみると、まとめ役も集団討論においては大きな役割を果たしていることがわかります。
九州大学共創学部対策記事一覧
ルークス志塾ではこんな指導をしています。

今回の記事で紹介したポイントをぜひ参考にして受験に臨んでいただきたいと思います!
また、記事を読んでインプットするだけではなく、実践をしてみましょう。討論する相手がいなくても、自分で新聞などの記事を読んで意見をまとめるだけでも十分練習になります!
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毎年何回も開催している共創模試は、現役の共創学部生が運営をしており、過去の試験を完全再現しています。また、全国の高校生が集まって本番と同じ形式で討論を行うので、より本番に近い実践的な経験を積む事ができます。
(共創模試の特設ページはこちら)
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたにとってこの記事が大学受験に妥協せず挑むためのきっかけとなれば幸いです。
