小論文で使える要約の書き方
小論文の要約とは?すぐに使える要約の書き方を「4ステップ」で解説!具体例や高得点をとるコツもお伝えします。
「小論文を要約する課題が出たけど、何をすれば良いのかわからない……」
「なんとなく『要約』をしているけど、本当にこのやり方であっているのかな?」
小論文を解いているとき、このような思いを感じた方、多いのではないでしょうか。
この記事では小論文の要約について、わかりやすく解説していきます!
要約はコツさえ掴んでしまえば誰でも高得点を狙える分野です。
ぜひこの記事を読んで、要約マスターへの一歩を踏み出してくださいね!
小論文の「要約」とは?
小論文の設問では、しばしば「要約」が求められることがあります。
要約とは「文章の要点や筆者の主張を簡潔にまとめる」ことです。
そのため、「課題文の趣旨を理解できているか」「筆者の主張を理解できているか」がポイントとなります。
小論文の要約は、絶対に減点されないようにしよう
小論文において、要約は絶対に点を落としたくない分野です。
なぜ、点を落とすべきではない(減点されるべきではない)のでしょうか。
それはズバリ.……下記3点の理由があるからです!
- 要約にもしっかり配点がされているから
- 要約を踏まえた論理展開をする必要がある場合があるから
- 採点者が「課題文を理解できたか」を確認する部分だから
それぞれについて詳しく解説していきます!
要約にもしっかり配点がされている
要約が出題される場合、往々にして要約以外の設問も1~2題ほど出題されていることが多いです。
また、1つの設問の中に「要約」と「自分の考えを記述する」ことが求められる場合もあります。
しかし、他に設問や課題があるからといって、要約を軽視してはいけません。
多くの配点が、要約に割り当てられている場合があります。
例として、2009年度の慶應義塾大学法学部の一般入試で実施された小論文の問を見てみましょう。
以下の文章を読み、「政治的空間としての(公共空間)」における責任と自由に関する著者の主張を400字程度でまとめなさい。そのうえで、「セキュリティー社会」についての著者の見解に対して、その是非も含めて、あなたの考えを述べなさい。
2009年度・慶應義塾大学法学部一般入試
この問で求められているのは以下の2点です。
- 著者の主張を400字程度でまとめること
- 著者の見解に対してのあなたの考え
この設問では、著者の主張をまとめる(要約)の部分が全体の指示のうちの1つとなっていますよね。
このような設問の場合の点数配分は、一般的に要約が点数の3~4割、持論が6~7割と言われています。
3~4割という高い点数を落とすわけにはいきません!
しっかりと点数を獲得できるように対策しましょう。
要約を踏まえた論理展開をする必要がある
先程の例をもう一度見てみましょう。
以下の文章を読み、「政治的空間としての(公共空間)」における責任と自由に関する著者の主張を400字程度でまとめなさい。そのうえで、「セキュリティー社会」についての著者の見解に対して、その是非も含めて、あなたの考えを述べなさい。
2009年度・慶應義塾大学法学部一般入試
この問は「要約を踏まえたあなたの持論」を聞いています。
つまり別の見方をすると、
要約が出来なければ持論が展開することができないのです。
要約が前提条件となる設問構成はよくあります。
スタートで躓かないように、スムーズに要約ができるように力をつけておきましょう。
採点者が「課題文を理解できたか」を確認する部分である
そもそもなぜ、出題者は要約を求めるのでしょうか。
答えは、要約をさせると「課題文を理解できているか」が明確になるからです。
近年、総合型選抜における二次試験や一般入試において小論文を導入する大学が増加傾向にあります。
特に、一般入試においては現代文の代わりとして小論文が導入されています。
現代文の代わりになっている事から考察するに、
小論文は『読解力と論理力などを含んだ記述力を試すための試験』であるといえます。
だからこそ、出題者は受験者の読解力を試すために、要約を導入しているのです。
要約で減点をされるということは「課題文を理解できていない」ということになってしまいます。
その後の解答にも影響を及ぼしかねませんよね。
文章を趣旨を理解するコツを学んで、絶対に減点されないようにしましょう!
要約の書き方・4つのポイント
ここからは、小論文の要約で必要な「書き方」について4つのポイントから解説します。
小論文の要約では、
資料を読み込む「読解」と実際に解答を考えて書く「記述」という2つの段階が必要となります。
本記事では、「読解編」と「記述編」に分けて、要約を書くために必要なポイントを解説していきます!
読解編
- 【1】設問をよく読む
- 【2】筆者の主張を捉える
- 接続詞に着目する
- 具体例は無視する
- 構成を意識する
記述編
- 【3】持論を入れない
- 【4】字数を意識する
それでは早速、それぞれのポイントについて詳細に解説していきます!
【1】設問をよく読む
まず第一に重要なことが「設問をよく読む」ことです。
要約以外の小論文の出題にも共通していますが、設問には出題者が求めている解答を指し示す文章が必ずあります。
要約の出題例であげるならば、
「文章の全体を要約せよ」であるのか「文章中のある1テーマについて要約せよ」であるのかで、解答が大きく異なってしまいますよね。
そのため、解答を始める前に必ず重点的に設問をよく読むようにしましょう。
思い込みは厳禁です。
「設問は神様」と言われるほどに、設問は大事なポイントです。
スタート地点を間違えることのないよう、設問をしっかり読みましょう。
そして、これからどういう解答を書くべきなのかを考えながら、課題文を読むべきかを最初にハッキリさせましょう!
【2】筆者の主張を捉える
次に、課題文を実際に読む際のポイントを解説します!
正確な要約をするためには
「課題文が何について論じて(言及して)いるのか」
「筆者が文章を通じて伝えたいことは何か」
を適切に把握することが必要不可欠です。
的確に筆者の主張を把握するために、以下の3点を意識してみてください!
- 接続詞に着目する
- 具体例は無視する
- 構成を意識する
接続詞に着目する
小論文、ひいては現代文でも重要なことですが、
接続詞に着目すれば筆者の主張を捉えやすくなります。
以下の箇条書きでは主要な接続詞をまとめました。参考にしてみてください。
- つまり/したがって/このように等:論のまとめ。ここを読めば大体わかる。
- しかし/ただ等:逆接。直前に述べた内容と逆の内容が来る。
- また/そして:並列。直前の文と同じ内容が来る
- 接続詞なし:直前の文と同じ内容を話している
特に最後の「接続詞なし」には注意してください。
接続詞がない限りは話している内容は変わりませんよ!
具体例を無視する
文章を読み進めると文中に「具体例」が出てくる事があると思います。
具体例は、要約の中に記載しないでください。
具体例はあくまで筆者の論をわかりやすくするために挙げられています。
例を見てみましょう。
死刑には不可逆性が存在します。例えば、冤罪があるとします。人間は一度命を奪われたら生き返ることはできません。仮に冤罪の者を死刑にしてしまえば、それを元に戻すことはできません。
このように、(←これが来たということは次に来る内容が大事ということですよ!)
例えば~で述べられた具体例は「死刑には不可逆性がある」というわかりにくい表現をわかりやすくするために挙げられています。
ここで大事なのは具体例を論じることではなく「死刑の不可逆性」を論じることですよね。
そのため、冤罪についての記述は要約においては不要となります。
構成を意識する
これは少し上級テクニックです。
ですが、マスターすれば要約が簡単に正確にできます!
小論文も現代文もそうですが、評論文って「序論・本論・結論」で構成されているんです。
まずはそれぞれの構成部分で「一番言いたいことは何か」を正確にとらえましょう。
そして、それをつなぎあわせれば要約になります。
特に本論の部分は、構造が入り組んでいてわかりにくい場合もあります。
問題提起や主張、具体例が話されていることが多いので、注意して問題文を読み進めましょう。
【3】持論を入れない
要約を記述するうえで、特に大事なのが「持論を入れない」ことです。
要約はあくまで課題文の概観を述べてほしいだけで、あなたの意見は問われていません。
あなたの意見を入れると減点対象になってしまいます。
要約は、文章中に書いてあることのみで構成しましょう。
【4】字数を意識する
小論文の基本ではありますが、字数制限がある場合は必ず守るようにしましょう。
- 〇〇字以内は指定字数の9割以上
- 〇〇字程度は指定字数の9割~11割
上記が、制限がある場合のおおよその目安となります。
この目安を守らないと減点対象となる場合があります。
必ず字数制限を確認してから、要約を書き始めましょう。
要約の雛形を紹介します
最後に、筆者が要約をする際によく使う雛形を紹介します。
文章毎に多少構成は変えますが、基本的にはこのように記述しています。
課題文では○○(課題文の概観)について述べられた。
その中で○○(筆者の主張)が論じられた。
また、○○(もし筆者の主張が複数ある場合)。
最初に概観を述べ、
その後概観で述べた事の詳細を論じるというイメージで記述しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
小論文の要約にはポイントがあるので、そのポイントをおさえて効率的に得点を獲得できるように対策を重ねましょう!
小論文は、対策がしにくい分「対策をしておけば必ず周りと差がつく」分野です。
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