年度【合格体験記】林利遥さん
「拒絶しない社会」の実現を目指して
慶應義塾大学法学部法律学科(FIT入試)
林 利遥さん
受講校舎: オンライン校
出身高校: 名古屋大学教育学部附属高等学校
入塾時期: 高校3年/7月
合格大学: 慶應義塾大学
志望校を選んだ理由
なぜ慶應義塾大学法学部を志望校にしたのですか?
高校時代の総合学習の時間に刑事司法の問題(受刑者の再犯や冤罪の問題)について調べる機会があって、興味を持ったことがきっかけです。「平和な日本で、こんなことが起こっているなんて!」という衝撃を受けました。
「悪い人だから犯罪をする」「警察に捕まって裁判になる人は悪い人」というイメージが崩れてから、この分野の法律や制度について大学で詳しく学びたいと考え、刑事政策や犯罪学などの授業・ゼミが開講されていていたことから志望校を決めました。
ルークス志塾(旧:Loohcs志塾)を選んだ理由
様々な塾があると思いますが、なぜ当塾を選んでくれたのでしょうか?
きっかけは、総合型選抜(AO入試)に興味を持っていると相談した友人からの紹介でした。
地方出身だったということもあり、オンラインで遠隔でも対策できるというところが大きかったです。
当時はSkypeの使い方もよくわかっていないような状態で不安だらけでしたが、同様に地方生出身の講師の方から丁寧に指導していただけたおかげで、スムーズに対策を進めていくことができました。
地方出身ということに引け目を感じることもあるかもしれませんが、地方出身というアイデンティティは大きな自分の特色にもなりうるので、ぜひ地方にいる人ほど総合型選抜(AO入試)にチャレンジしてほしいと思います。
総合型選抜(AO入試)を終えて得たこと、成長したこと
総合型選抜(AO入試)を受験してみて、役にたっていることとか、受けてよかったなと実感したことはありますか?
自分の知らなかったことをたくさん知れたことです。
総合型選抜(AO入試)を受けるにあたり、自分の学びたい分野について知ろうと考え、地元の地方検察庁や冤罪事件の弁護を手がけた弁護士の先生のもとにお話を伺いに行ったりしました。
また、考える力や社会の実情も知れたと思います。
当時、再犯者や冤罪を減らすためには「弁護人の弁護活動を強化することが重要なのではないか」という仮説を立てたのですが、講師の方に提出書類を見せると、「これ、根本的に問題分析を間違えているよ」と指摘されて唖然としたことは忘れられません。
そのときに、いかに警察・検察や法務省などの行政機関の役割が大きいかを実感し、社会課題の解決にあたっては官民の誰かが頑張れば良いというものではなく、様々な機関が連携しなくてはならないものであると実感することができました。総合型選抜(AO入試)で勉強したことは、その後の大学での学びや今の活動にも大いに生きていると思います。
ルークス志塾(旧:Loohcs志塾)に向いている人
どんな人がルークス志塾に向いていると思いますか?
今の社会や身の回りの現実が不条理だ、これはおかしいという強い思いがある人、今の世界にはない何かを作ってやろうという気持ちが燃えている人にはとても向いていると思います。
自分もまだ大学を卒業していない身ではあるのですが、社会は思った以上に複雑で、現実がそうなっていることにはそれなりの合理性があるのもまた事実です。
自分の思いを燃やしながらも現実を知ってそれと向き合い、先輩や同期たちの考えを尊重しながら自分のあり方を常に考え続けられる人に、ぜひ挑戦してほしいと思います。
これからの目標
現在活動していることやこれからの目標ってどんなものですか?
法学部に在籍して昨年の秋から休学し、現在は地元・名古屋のNPO法人「くらし応援ネットワーク」で仕事をしています。
1年ほど前までは弁護士としてこの課題に関わろうと考えて司法試験の勉強をしていたのですが、大学で勉強している中で弁護士以外の関わり方を知って、そもそもの目的意識に立ち返った結果、まずは目の前のリアルな現場に向き合うことを選びました。
「くらし応援ネットワーク」の仕事内容は、軽微な罪を犯して警察のお世話になった人で、持って生まれた障害や貧困・孤立などによって何らかの生活の支援が必要な方に対する福祉側の支援のコーディネートです。
「警察のお世話になった」と聞くと「警察に捕まるんだから、それはそれは悪い人なんだろう」と思うかもしれません。しかし今の日本では、障害を抱えていたり、介護が必要だったり、客観的に「支援を必要としている状態」にあったとしても、役所に申請に行かない限り何も支援を受けることはできません。
親の離婚や複雑な家庭環境によって子どもの頃から知的障害が見過ごされていた人、親からの虐待によるトラウマで酒に溺れてしまった人、家の保証人を立てられずにホームレスにならざるを得なかったおじいさん、この仕事で出会うのはどう考えても公的な支援の対象になるのに、何らかの事情によってそれを享受できなかった人ばかりです。
まだまだ具体的に描くことができてはいないのですが、社会から無意識に排除されて犯罪に至った人が、その生きづらさに向き合いながら生き直すことのできる社会、そしてそのような人たちが地域で普通に暮らしていくことのできる排除のない社会を作っていきたいと考えています。
「人生をかけて問いたい疑問」は、すぐには分かるものではないと思います。しかし、それを考えて大学で勉強するのとそうでないのでは、大学で得るものは全然違うとも考えています。自分はまもなく卒業しますが、この大学で得たことをいかに生かしていけるか、ここからが本番だと思っています。