慶應法学部FIT入試の「グループディスカッション」とは?対策方法や合格するために重要なポイントを解説
はじめに
慶應法学部二次試験突破率100%を達成した目黒校舎の校舎長の山崎です。
聞いたことはあるけれど対策方法がわからないグループディスカッション(GD)も、原理原則から本質を見極めれば必ず合格レベルを実現できます。「何を喋ったらいいかわからない」などと苦しむみなさんのお力になれたらと思います!
そもそもグループディスカッションとは?
45分間の試験時間の中で受験生7人と法学的なテーマに関してディスカッションを行い、それをを3人の採点官が評価します。*2022年度入試からは慶應法学部のグループディスカッションは口頭試問に変わります。
グループディスカッションの正解とは?
目標は意見を否定し合うだけのディベートではなく、みんなで知恵を出し合うことで一人では思いつかなかった結論を見つけ出すことです。もちろん最終的な意見は千差万別でいいのですが、議論前と議論後でかならず皆でいい知恵をだせたと思えることです。
グループディスカッションに強い人の特徴
議論の発展を促す問題提起や知識の共有を行う
表面的に協調し合うGDは生産性のない議論なので、反対意見がないときはむしろ自分が反対意見を提案するくらいの姿勢でいきましょう。ただ、愚直に反対意見を述べるのではなく、「例えば、〜のように考えることもできると思うのですが、それに対してはどのように思われますか?」のように、自分の意見としてではなく視点や論点を提供する姿勢も効果的です。
時間のロスを減らすべく無意味な対立を避ける
①主張②根拠③具体例など相手に誤解を与えない喋り方は圧倒的に重要です。深い意図のない発言の揚げ足を取り合うのは誰に取っても望ましくないですね。論破したり、意見を無視したりなんてのはもってのほかですが、自分の意見を説得することが目的と考えてはいけないということです。
話しやすい雰囲気を作りより良い意見を引き出す
とにかく自分一人では何も進まないのがGD。そんな時頼りになるのは周りの受験生です。ライバルではありますが、大事なのは議論をより深く発展させることなのでそれに繋がる行為であればなんでもして大丈夫です。型に縛られず、いい議論が生まれるよう話しやすい雰囲気を作りましょう。
結局、受験は相対評価です
そして、以上に加えて意識してほしいことが、受験は相対評価であるということです。つまり、誰かと比べて秀でた部分がなくてはいけないということです。あくまで、議論をより良い方向に発展させたという意味での優秀さですが。そのために、僕が普段使っている採点官に評価されやすい議論の進め方を共有します。
高得点が出るグループディスカッションの型
問題分析を行い、話し合いの方向性を決める
まず、他の多くの受験生が陥りやすいポイントは設問の取り違えです。そこを見誤ると、結局議論にズレが生じ、収集がつかなくなってしまうので気をつけましょう。
例えば、「少子化を解決するために何ができるかを自由に話し合ってください」というのと「少子化に対して何ができるかを自由に話し合ってください」だと、議論の範囲が非常に異なります。前者では少子化を解決することという縛りがあるのに対して、後者ではでは広義に少子化に対する取り組みについて指示しているため、少子化を受け入れその中で人類がどのように幸せにいきていくかなどを話し合うこともできるわけです。
知識を共有し合い、各人の意見の確立を進める
まず、大前提としてある程度の知識が何もなければ意見を持つことができません。ファーストオピニオンを言おうにも、問題も良くわからないし、根拠も思いつかなければそれは無理な話なわけです。
なのでなるべく早い時期に、知識は共有し合い、初めから実りのある議論を行えるようにしましょう。特に自分が知識がない場合は、その場面で知識を持っている人から共有してもらうことが大事です。知ったかぶりで適当に進める方がはるかに危険ですし、知識を持ってないことはそこまで悪いことではないのです。
みんなの意見出し
ここで初めてファーストオピニオンと呼ばれるものを出し合います。知識や議論の方向性を定めた上で、みんなの意見を確認し、どこに相違があるのかを把握するための段階です。
仮にファーストオピニオンをやる時間が取られていた場合でも、議論の方向性に認識の違いがあった場合などは改めて意見把握するタイミングを設けましょう。これで何が論点なのかを考えることができるようになるのです。
論点整理
各人の意見が出揃ったあとは、それぞれの意見を比較検討し、何を論点にすべきなのかを整理します。例えば、利点欠点の洗い出しや、正当性の根拠などを見つけることです。他にも、知識が足りない場合は具体的な事例をたくさんあげてそれを精査していくことや解決策を提案しあい比較検討していくなどです。
とにかくここでは、どんな意見を出すかをあらかじめ決めることで議論が逸れないようにすることを大事にしてください。
前提が違うことを指摘する
ここがもっとも他の受験生と差別化できるポイントです。様々な意見が出揃ってくると、必ず水掛け論のような対立を産んだりすることがあります。基本的にその原因は、誰の立場に立っているかです。
移民受け入れ政策に関して言えば、国家という立場、社会という立場、移民という立場、国際社会という立場、個人という立場、企業という立場など様々な立場があげられます。各人がその立場の違いを意識しないことによって、「難民がかわいそうだから受け入れるべきだ」「難民を受け入れたら治安が悪くなる」などという水掛け論が起きるのです。そこで、みなさんはしっかりと各意見がどの立場による視点なのかを明らかにしましょう。それだけで、すごい頭のいい人みたいに見えます。
ちなみに、国という立場の目的は国家の存続と繁栄を追求し、社会という立場は秩序や平和維持を目的とします。企業は利潤が目的であり、個人は自己の自由の最大化を測ります。ただ難しいのが、国と社会という立場は少し、かぶっていたり、企業の中にも個人がいたり、個人によって求める自由が違うなど気をつける点が多いので気をつけてください。
納得解の模索
前提の違いを指摘できたのなら議論も終盤、あとは誰もが納得する解答を模索するのです。
例えば、さっきの「難民がかわいそう」という意見と「難民を受け入れたら治安が悪くなる」という意見に関しては、難の人権保障民と社会の治安維持という目的が混じり合っているのでそこを結合させます。例えば、警察機関や教育施設を充実させ、難民の犯罪率を下げることを意識しながら、難民受け入れを図るという結論です。実際これには財政や日本が受け入れる責任に正当性はないなどの反駁はあるのですが、それは今後議論していくべきだというスタンスでまとめることが大事です。重要なのはいかに各立場の目的に配慮しながら、バランスよくまとめていくかということです。
まとめ
なんとなく納得解が定まってくれば基本的に議論の対立は消え、各人が納得解をより良くするための提案する姿勢に変わります。それらを最終的にまとめ上げることで、自分が議論をうまく運んだように見せることができるのです。その際は、どれだけ話し合うことによっていい意見が出たのか、アウフヘーベンが起きたのかについて触れながらまとめると印象がとても良くなります。
もちろん上記はあくまで型なので柔軟に対応できるようになることがゴールです!上の方から「守破離」を行い自分なりの進め方を見つけてください。
グループディスカッションの対策
- 社会課題にまつわる法学的論点の知識インプット
- 自分の意見を論理的に説明する練習
- 実践を繰り返しどんなお題でもGDを成功に導く練習
グループディスカッションの対策には以上の3ステップが必要です。
グループディスカッションの練習法おすすめは家族とニュースをみながら討論ですが、まともに議論の練習にならなかったりフィードバックがなかったりするので、興味ある人はルークス志塾にお越しください。FIT模試や各校舎の授業で体験可能です。目黒校舎でも実践練習と個別フィードバックを行う授業をご用意しています。