<合格者が語る>慶應FIT入試A方式の「口頭試問」とは?概要から対策の方法、点数を稼ぐポイントまで紹介!
口頭試問ってなに?
口頭試問とはFIT入試A方式の二次試験として論述試験に加え行われる、
受験者と教授(試験官)が1対1で与えられたテーマについて質疑応答をする試験です。
口頭試問は最近導入された試験
2022年度から、論述試験に加え行われていたグループディスカッションが口頭試問へと変更されました。
- 従来の二次試験
- 論述試験
- グループディスカッション
- 2022年度以降の二次試験の内容
- 論述試験
- 口頭試問
変更された理由
変更された理由として、グループディスカッションでは
- 意見を発する生徒に偏りが出ていた
- グループ内で少数派の意見が抑圧されることがあった
などが考えられます。
口頭試問は受験者一人一人に焦点を当て、意見を汲み取るために実施されると考えていいでしょう。
口頭試問って何をするの?
A方式の二次試験は、下記のような流れで実施されます。
- 論述試験
- 昼休憩
- 口頭試問(順次実施)
論述試験が終わり休憩を挟んだ後、受験番号順にいくつかのブロックに分かれ、各ブロック前の人から順に一人ずつ入室し、口頭試問が開始されます。
入室後は2分間の自己アピールを行い、その後は15分間、与えられたテーマについて教授との質疑応答が実施されます。
- 入室
- 自己紹介(アピール)(2分)
- 教授との質疑応答(15分)
- 退室
自己紹介(自己アピール)
口頭試問では最初の2分間、自己アピールも兼ねた自己紹介をする時間が与えられます。
ここでは一次試験で作成した書類を基に、自己紹介に加えて今までの活動や入学後の目標等を教授にアピールします。
教授との質疑応答
自己紹介終了後、教授(試験官)が問を読み上げ、その問に受験者は自分の考えを交え回答します。
その後、あなたの回答に対して教授が質問を出すのでそれに再び返答し、以後、時間になるまでそれが繰り返されます。
基本的に、教授が出題する問いに関連する質疑応答がなされます。
そのため、B方式の面接であるような志望理由や志に関する質問はされません。
また、出題される問いは各学科それぞれで共通の内容が出題されます。
- 教授(試験官)が問を読み上げる
- 回答する
- それに対し教授が質問
- 質問に返答
- (以下繰り返し)
口頭試問ではどんな問題が出る?対策法は?
口頭試問ではどのような問が出されるのでしょうか?
また、どのように対策すればよいのでしょうか?
過去にはどんな問題が出た?
法律学科
法律学科では、2022年度に実施された初の口頭試問で以下の問が出されました。
日本では自殺は犯罪ではありませんが、これを手助けする行為は犯罪にあたります。そのため、治る見込みのない重病患者が自殺を望んだとしても、医師の援助を受けることが困難です。数年前、そのような患者が日本から外国に渡り、自殺を援助する団体の医師の協力を得て自殺した事例がありました。その国では、一定の範囲で自殺を援助する行為が認められているからです。このような日本の現状の是非について意見を述べてください。
また、過去のグループディスカッションでは「高等教育の無償化」、「女性の社会進出」などが扱われており、私達に身近なテーマが頻出します。
身近なテーマですが、日本国憲法の3原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」などを絡めて解答できるように、事前に準備しておきましょう。
政治学科
政治学科では2022度に実施された初の口頭試問で以下の問が出されました。
これから、夫婦の姓ないし苗字に関する制度について、質問します。日本では、男女が、法律上の結婚をするためには、一方の姓を選び、他方がその姓を変えなければなりません。そのため、男女が別姓のまま婚姻届けを提出しようとしても、その届出を受理してもらえず、法律婚をすることができません。このような制度について、あなたはどう考えますか。
また、過去のグループディスカッションでは「科学技術の競争力を上げる方法」「移民受け入れ、及び日本人のナショナリズム」などが扱われており、日本の社会現象についてのテーマが頻出します。
その時々で話題になっているニュースや国際社会の出来事に対して「自分はどう思うか?なぜそう思うのか?」という視点をもって日々を過ごすことが、合格への近道です。
どう対策すればいいの?
口頭試問はどう対策したら良いのでしょうか?
ルークス志塾的オススメ対策法は「テーマの予測」と「論点の整理」と「基本知識のインプット」の3つです!
テーマを予測する
実は2022年度に扱われた「自殺」、「夫婦別姓」の二つは予測できるテーマだったんです!
なぜなら当時は
- コロナ渦で困窮し、自殺する人が増えたことが話題になることが多かった
- 2021年9/17に自民党総裁選があり(試験日は2021年9/25)、争点として夫婦別姓があった。
からです!
したがって、その時期に話題となっているテーマを一通り押さえておくとテーマを予測できるでしょう。
論点を整理する
あるテーマについて討論をするためには双方の意見について理解しなければいけません。
先程の2022年度の法律学科の問を取り上げて考えてみましょう。
日本では自殺は犯罪ではありませんが、これを手助けする行為は犯罪にあたります。そのため、治る見込みのない重病患者が自殺を望んだとしても、医師の援助を受けることが困難です。数年前、そのような患者が日本から外国に渡り、自殺を援助する団体の医師の協力を得て自殺した事例がありました。その国では、一定の範囲で自殺を援助する行為が認められているからです。このような日本の現状の是非について意見を述べてください。
これだけ読むと難しいですよね。整理してみましょう。
この問のケースにおいて論点となり得るのは
- 自殺は合法化されるべきか?
- 合法化する際の”一定の範囲”とは?どう決める?
- 自殺願望者の意思決定には責任能力が認められるか?
- 補足:病に苦しむ患者の意思決定は情動に基づいている可能性があるという事です。
などが考えられます。(もちろん他にもあります!)
予測したテーマの論点を今のように整理すると口頭試問対策に十分なるでしょう。
基本知識のインプット
教授たちは口頭試問で受験生に対して、
「この人は法律、政治に関する最低限の知識があり、トレンドも押さえているのか」の確認をしたいのです。
その要望に応えるため、そしてテーマ予測が失敗した時に備えて最低限の知識は押さえておきましょう!
筆者のオススメ教材
- 小論文これだけ!法・政治・経済編
- 小論文これだけ!法深掘り編
- 政治・経済の教科書
知識のインプットをする際には用語の意味を押さえるだけでなく、テーマの論点を本番形式に寄せて問答式で行いましょう!
例)
問:あなたは死刑制度について賛成ですか?反対ですか?
悪い例:
「私は死刑制度に反対です。
なぜなら制度によって人を殺すという行為はよくないからです。」
良い例:
「私は死刑制度に反対です。
日本国憲法に基づき、国家は国民に対して生命権、生存権を保証しています。
その権利を国家自らが破るのは国家が人権違反を侵していると私は考えます。
また、死刑には不可逆性があり、冤罪の人を死刑にした後では取り返しがつきません。
以上のことから私は死刑は廃止にするべきだと考えます。」
まとめ
この記事ではいくつかの口頭試問対策を紹介しました!
ルークス志塾では何年にもわたる過去問の徹底分析を行い、二次対策を行って毎年多くの合格者を輩出しています。FIT入試対策ならお任せください!
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