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受験で使える小論文の書き方5ステップ

【例文あり】小論文はどうやって解く?大学受験で使える小論文の解き方を5ステップで解説

「論述のコツや知識は覚えたのに、実際に問題を解くと焦ってしまう……」
「制限時間内に解き終えることができない……」
「いざ解答を書こうと思っても、何から始めればよいかわからない……」

実際に小論文問題を解いてみると、このような悩みにぶつかってしまう方、多いのではないでしょうか。

この記事では、大学受験を控えている高校生に向けて「受験で使える小論文の書き方」を解説していきます!
実際の小論文試験を想定し、時系列順に「何をすべきか」を5つのステップに分けて紹介します。

また、後半では実際の小論文試験の問題とその解答の例文を使って、より具体的に「小論文の書き方」を解説していきます!

この記事を読んで、どんな小論文にも自信をもって解答できるような実力を身につけましょう!

 

【関連記事】
基本的な小論文の書き方を解説。書き出しや勉強の仕方、構成方法などを紹介

目次(ページ内リンク)

受験で使える!小論文を解く手順【5ステップ】を解説します

小論文の問題には、様々な種類がありますが、基本となる解き方はどれも共通しています。

これから、たった5つのステップで大学受験の小論文対策が完璧になるメソッドを、具体例を交えながら解説していきます。

ステップ1:問題が配られたら、表紙の注意書きを徹底的に読む

試験開始前、問題冊子が配られたら、問題冊子の表面に注意事項が書かれているかを確認しましょう。

試験によっては細かい注意事項まで表紙に書いてある場合があります。
特に、解答の文字数やアルファベット・数字・記号の文字数計算についてなど、たいへん重要な情報が記されいる場合もあります。

その試験冊子の表面に注意事項が書かれていた場合は、出題者が指定したルールを遵守できるようにじっくりと読み込み、準備をしましょう。

ステップ2:試験が始まったら、まず時間配分を考える

試験が始まり次第、すぐに時間配分を考え始めます。

最初にすべきことが時間配分!?と驚く方もいるかもしれません。

しかし、時間配分を考えることにより、問題全体を見通して答案完成までの針路を立てることができます。
そのため、まずやっておくべき非常に重要な作業であるといえます。

時間配分は、おおまかに下記4つの区分に分けて考えていきます。

  • (a) 時間配分作成/設問理解:〇〇分
  • (b) 資料文の読解:〇〇分
  • (c) 解答の構成メモ作成:〇〇分
  • (d) 答案用紙へ清書:〇〇分

①「時間配分作成/設問理解」にかかる時間を引く

制限時間全体から「(a) 時間配分作成/設問理解」にかかる予想時間を引きます。

小論文の設問は「資料文で展開された主張を〜字で要約しなさい」や、「〜についてのあなたの意見を〜字以内で述べなさい」などが多く見られますが、これらは全て出題者からの要求ととることができます。

小論文では、この要求に応えた答案を書けるかどうかで大きく結果が左右されるので、最初にしっかりと確認しておきましょう。

②「答案用紙へ清書」にかかる時間を引く

①の残り時間から「(d) 答案用紙へ清書」にかかる時間を引きます。

このとき、「400字を何分で書けるか」の自己タイムを知っておく必要があります。
恐らく、ほとんどの受験生が早くて10分、遅くて20分で400字を書き上げることができると思います。
この「400字にかかるタイム」を使用して必要時間を概算します。

例えば、600字分解答する必要がある場合の計算式は、400字を20分で書き上げる場合に600✖️20/400=30(分)となります。

簡単な計算だけで、答案用紙の清書には約30分必要なことがわかります。

➂残り時間の配分を考える

ここまでで残った時間を「(b) 資料文の読解」「(c) 解答の構成メモ作成」のそれぞれにどの程度充てるかを決めます。

設問を見ながら、下記の方針に従って時間配分を決めていきましょう。

  • 要約問題だったらメモ作成の時間は少なめ
  • 意見論述や解答文字数が多い場合はメモ作成の時間を多め

ほかにも、課題文全体をさらっと見て、難しそうな単語が頻出していたら読解の時間を多く取るなどといった調整もあります。
様々な問題に挑戦しながらベストなバランスを見つけていってください。

ステップ3:資料文を読解していく

資料文は「ただ読むだけ」では、その後の小論文が書きにくくなってしまいます。

手順や技術を身に付けて、効率的に小論文を執筆しましょう!
ここでは、資料文を読解するためのポイントを4つ紹介します。

①資料文を読む目的を明確にする

資料文とは別に、小論文には「問い」である設問が設定されています。
そういった設問には「〜について〜しなさい」という要求が必ず書かれています。
まずは設問を通して「どんな要求がされているのか」を把握しましょう。

  • 例1:本文を踏まえて、海洋汚染という問題を改善するために、あなたはどのような対策が有効だと考えますか。200字以内でまとめなさい。
  • 例2:本文によると、海洋汚染という問題を改善するために、筆者はどのような対策が有効だと考えていますか。その理由とともに200字以内でまとめなさい。

例として2つの設問を載せました。
例1は「海洋汚染改善の対策に関してどう考えるのかについてまとめなさい」、例2は「海洋汚染改善の対策に関して筆者がどう考えているのかとその理由についてまとめなさい」と整理することができます。

例1は「自分自身がどう考えるか」を問われており、例2は「筆者がどう考えるか」という筆者の理由をまとめる要求がされています。

そのため、例1では「資料文全体の趣旨をざっくり理解する」必要があり、例2では「資料文における筆者の考えとその理由をしっかり読み取る」必要があるといえます。

このように、設問を分析することで資料文のどういった点に着目して読めば良いかが分かります。

②面読みとライン読みを使い分けて効率よく文章を読む

資料文を読む目的を明確にしたら、さっそく資料文を読み進めましょう。
その時「面読み」「ライン読み」と言われるテクニックを併用して読むことをオススメしています。

  • 面読み:何度も出てくる単語や重要そうな接続詞の後を重点的に読むこと。
  • ライン読み:1語1語丁寧に読み進めること。

資料文の文量が多い場合、基本的には面読みで読み進めましょう。
そして「①資料文を読む目的を明確にする」にてまとめた重要な部分に差し掛かった際はライン読みをしましょう。

➂読みながらマークをする

資料文を読み進める際は、下記にあげた箇所にマークをしながら読み進めましょう。
資料文を後から読み返す際の助けになります。

  • 重要な接続詞:しかし、つまり、対してなど、、、
  • キーワードになりそうな単語(何度も登場する単語)
  • 資料文を読む目的に合致している箇所
  • わからない単語

④文章の要素を分解しながら理解する

小論文の資料文には難解な文章が選ばれる場合も多いです。
その際「意味の分からない単語」に出会ってしまうこともあるかと思います。

意味の分からない単語に出会ったとしても、すぐに諦める必要はありません。
文章を構成している要素から、その単語の意味を推察してみましょう。

文章全体は、分解すると下記の通りになります。

「全体>段落>文章>単語/てにをは>漢字」

「意味の分からない単語」に出会った場合は、まずその単語を構成している漢字の意味から推察してみましょう。

それでもよくわからなかった場合は、その単語が含まれている文章や段落の意味を考えてみましょう。

このように、細かい要素それぞれを理解すれば文章全体の理解に繋がっていきます。

一読して意味がわからない場合でも、諦めずに要素を分解して読解を進めれば、その意味をなんとなくでも理解できることも多くあります。

最初は、「推察すること」に時間がかかるかもしれません。
しかし「すぐあきらめるのではなく意味を推察する」「小論文を解き終わったあとの、解き直しの際にその単語を調べる」訓練をすると、読解力はぐんぐん伸びていきます。

また、知らなかった単語の知識も増える、一石二鳥の方法なのでとてもオススメです!

ステップ4:構成メモ作成

資料文を読み終え、書くべきことが決まりました。
しかし、いきなり書き始めるのはNGです!

書いているうちに当初の予定と違う方向に進んでいってしまったり、主張・理由・結論がかみ合わなくなってしまう原因になります。

必ず「構成メモ」を作成し、書く内容をおおまかに決めてから書き始めるようにしましょう。

ここからは構成メモ作成のポイントをつ紹介します!

①答案に書くべきことを設問から考える

ここまで何度か言及してきたように、小論文では「設問の要求に対応した形で答案を作成しないとほぼ0点」になってしまいます。

資料文読解の手順①からもわかるように、設問の表現が少し変わるだけで、答案の内容や方向性はは大きく変わってきます。
そのため、まずは「設問の要求は何か」「答えなくてはならない問いは何か」ということを念頭に置いてから、構成を考え始めましょう。

例えば、

「海洋汚染改善の対策に関して筆者がどう考えているのかとその理由についてまとめなさい」

という設問であれば、

  • A:海洋汚染改善の対策に関して筆者がどう考えているのか
  • B:その理由

の2点に関しては、最低限言及しなければなりません。

そのため、まずはこのAとBの問いに対する答えを考えるところから始めましょう。

②答案に書きたいこと(かつ得点に繋がりそうなこと)を考える

答案に最低限書かなければならないことが決まりました。

次は、その「書かなければならないこと」に対して、いかに論理的に話を展開するか、もしくはどうやって説得力を持たせられるかを考えましょう。

考えるコツとしては①で書くと決めた内容(文章)と接続詞でつながるような内容を思い浮かべることです。
「例えば」「しかし」「なぜなら」「一方で」など、どんな接続詞を使って話を進めるかを想像すると考えやすいですよ。

③字数制限に収まるかを確認する

最後に、答案用紙に①と②で考えた文章が入り切るかを確認します。

小論文では、多くの場合において解答の文字数制限が存在します。
設問の表現によって、許容される範囲が異なるので必ず覚えておくようにしましょう。

許容される範囲を逸脱してしまった場合、採点対象外となる可能性があります。

【小論文における文字数制限のルール】

  • 設問「100字以内で書きなさい」:全体の8割は埋める。(=80字以上は書く)
  • 設問「100字程度で書きなさい」→前後2割の誤差まで許容される。(=90字以上110字以内で書く)
  • 設問「70字以上100字以内で書きなさい」:70字以上100字以内で書く。

この前提を踏まえて、許容範囲内に字数が収まるかを計算します。

その時に使えるのが、この目安です。

  • 1段落:200文字
  • 1文:50字

例えば、文字数制限が800字以内の場合このような答案の枠組みを作れます。

  • 1段落
    • 1文
    • 2文
    • 3文
    • 4文
  • 2段落
    • 1文
    • 2文
    • 3文
    • 4文
  • 3段落
    • 1文
    • 2文
    • 3文
    • 4文
  • 4段落
    • 1文
    • 2文
    • 3文
    • 4文

この枠に、自分自身が書きたいことが収まるかどうかをおおまかに計算してみましょう。

収まりそうであればよく構成メモの内容を確認してから、清書に移りましょう。

文字数が足りなそうな場合は、手順②に戻って書き足せることがないか考えてみましょう。

逆に文字数が多すぎた場合は、削っても文意が変わらない箇所はないか、省略できそうな単語や文末はないか、指示語で置き換えられないかなどを考えて、なるべく自分自身が伝えたいことを全て表現できるように削っていきましょう(この作業は難しいですね汗)。

あまり時間が残っていなければ、清書をしながら調整をするという手段も捨てないでください。

最終的に評価されるのは清書した答案用紙ですので、書かなくては意味がありません。

ステップ5:清書

ここまでのステップで、書くべき内容はほぼ決まっています!

あとは文章を書くのみです。

ステップ1で確認した解答用紙の使い方のルールや、ステップ4で計算した文字数制限を遵守するように努めましょう。

想定よりも時間が押してしまった場合など、焦る場面も出てくるかもしれません。
しかし、焦っている時こそ、誤字脱字はないか・言い回しは適切か、ということにも気を配りながら清書をすすめましょう。

丁寧に、綺麗な字で、しかし素早く筆を走らせるのがポイントです。

例文解答で学ぼう!【5ステップ】を使って実際の問題を解いてみた

早速、これまでに解説してきた5ステップを使って実際の問題を解いてみましょう。

掲載している問題は、ルークス志塾にて作成した「立命館大学産業社会学部」の2021年度入試再現問題です。
(無断配布などの二次利用はご遠慮ください)

ステップ1:問題が配られたら、表紙の注意書きを徹底的に読む <例題で解説編>

一目見て、表紙に大切な情報が詰まっていることに気付きますね!

今回は、制限時間と回答用紙の使い方についてが書かれています。
清書時にこのルールを守れるよう、しっかり頭に入れましょう。

ステップ2:試験が始まったら、まず時間配分を考える <例題で解説編>

①「時間配分作成/設問理解」にかかる時間を引く

まずは「設問理解」を行います。

ペラペラと冊子をめくり、一番最後に書かれている設問を確認しましょう。
設問をみてみると、下記の「設問の要求」があることが分かりました。

  • 問1:図の読み取り
  • 問2:問題文中で指摘される外国人の子どもの抱える課題に触れながらなぜ筆者が現在の考えに至ったのかをまとめる
  • 問3:問題文に基づいた意見論述

さて、ここまでで5分経過したので「(a) 時間配分作成/設問理解」は5分としましょう。

②清書にかかる時間の計算

設問では100字〜150字と指示がありますが、計算の段階では安全策として150字という最大字数を使います。
また、今回は400字を15分で書く設定にします。

(計算)(150+400+500)✖️15/400=39.375≒40(分)

となるので「(d) 答案用紙へ清書」を40分と設定します。

③残り時間の配分を考える

ここまでの残り時間は、35分ですね。

問題文をさらっと見ると、一読して理解できそうな内容でした。
そのため「(b) 資料文の読解」に使う時間を10分間と設定します。

そして、残りの15分間を構成メモに充てることにします。
特に、問3は意見論述であり字数も多いため、構成メモに時間がかかりそうです。

【時間配分のまとめ】

  • (a) 時間配分作成/設問理解:5分
  • (b) 資料文の読解:10分
  • (c) 解答の構成メモ作成:15分
  • (d) 答案用紙へ清書:40分

<実際のメモ書き>

ステップ3:資料文を読解していく <例題で解説編>

①資料文を読む目的を明確にする

設問を見て、この設問に応えるためになぜ資料文を読む必要があるのか?を考えます。

  • 問1:図の読み取りをするため
  • 問2:筆者がそのように考えている理由を読み取るため、外国人の子どもの教育が抱えている課題が何か読み取るため
  • 問3:文中で述べられた社会的動向がどのようなものか読み取るため

今回はこのように整理することができます。

②面読みとライン読みを使い分けて効率よく文章を読む

目的を明確にできたら、面読みとライン読みを使い分けて効率よく文章を読んでいきます。

今回の資料文を易しいと感じる方は、ライン読みだけでも構いません。

しかし、最初に面読みをすると「資料文を読む目的」を達成するために必要な内容がどこに書かれているのかを知ることができます。
その部分に特に集中してライン読みをするとより効率がいいと言えるでしょう。

また、可能であれば資料文を読みながら重要な部分へマークしていきましょう。

ステップ4:構成メモ作成 <例題で解説編>

①答案に書くべきことを設問から考える

いよいよ構成メモを作成していきます。
まずは「設問が要求していること」を再度確認していきましょう。

問1:問題文中の図からは、日本語指導が必要な高校生の進学、就職について、どのような傾向を見出すことができるか、100〜150 字でまとめなさい。

  • 日本語指導が必要な高校生の進学について読み取れる傾向
  • 日本語指導が必要な高校生の就職について読み取れる傾向

問2:筆者はなぜ外国人の子どもがどの地域に住んでも「教育を受ける機会」が保障されるように、政府主導で取り組むべきだと考えているのか、問題文中で指摘されている外国人の子どもの教育が抱えている課題にも触れながら、300〜400 字でまとめなさい。

  • 筆者がなぜそう考えるのか
  • 文章中で指摘される課題

問3:問題文中でも触れられているように、現在、外国人の子どもの教育を拡充させる努力が国や自治体などで行われている。このような社会的動向に対して、あなたはどのように考えるか。300〜500 字で述べなさい。

  • あなたはどのように考えるか
    • 私は〜と考える、なぜなら〜(意見論述の場合、主張と根拠は必ずセットで答える)

②答案に書きたいこと(かつ得点に繋がりそうなこと)を考える

今回の場合、問1、問2は文字数も少ないため、課題文中の文章を使って構成することができると思います。

一方、問3は完全なる意見論述問題なので、しっかりと考えていきましょう。

③字数制限に収まるか確認する

最後に、答案用紙に①、②で考えた文章が入りきるかを確認します。

今回の字数制限の表記は「全て〜以上〜以下」となっています。
そのため、範囲に収まるようであれば問題ありません。

実際の文字数の枠組みは下記ようになりますね。
注意すべき点は、表紙に「改行をする必要はない」と指示があったため、全ての問題が1段落で構成されるということです。

  • 問1:150字
    • 1段落
      • 1文
      • 2文
      • 3文
  • 問2:400字
    • 1段落
      • 1文
      • 2文
      • 3文
      • 4文
      • 5文
      • 6文
      • 7文
      • 8文
  • 問3:500字
    • 1段落
      • 1文
      • 2文
      • 3文
      • 4文
      • 5文
      • 6文
      • 7文
      • 8文
      • 9文
      • 10文

さて、ここまでくればあとは清書を行うだけです!

ステップ5:清書 <例題で解説編>

丁寧な字で書きすすめましょう!
書き終わった後には必ず誤字脱字などのチェックも行いましょう。

それらをすべて終えれば終了です!

模範解答

【問1】

日本語指導が必要な高校生等の大学進学率は全高校生等の0.6倍と低い。中途退学率も全高校生等の約7倍と高い。また、就職については、卒業後の進路未決定率が全高校生等の約3倍高く、非正規就労率は約10倍高い。以上より、日本語指導が必要な高校生等は全高校生等と比べて、進学、就職をしづらい傾向にあることが見出せる。(150字)

【問2】

筆者がそう考え得る理由は、自治体では予算や人員、ノウハウが要因となって、地域によって外国人の子どもたちへの対応にバラつきが出てしまっているためである。この現状では、日本語教育推進法で明記された国や自治体の日本語教育を進める責務が果たされているとは言えない。実際に、外国人の子どもの教育が抱える課題として、十分な日本語のサポートを受けられない無支援状態のまま放置されている点が挙げられる。例えば、外国人の子どもは特別支援学級への在籍率が高い。これは、日本語が苦手という理由で知能検査の結果が低くなってしまったり、保護者が学校の説明を理解できないまま支援学級への在籍に同意してしまったりするためだ。また、不就学の子どももいる。これは、外国人が義務教育の対象外であるためだ。中には自治体が学校への受け入れを断るケースもある。(359字)

【問3】

私は、少子高齢化が進む中で外国人が暮らしやすい地域づくりを国や自治体が行うことには賛成だ。その一方で、民間や市民レベルでの共生の実現も追い求める必要があると考える。今後、日本の労働力の減少、社会保障費の増大などが予想できる中で、外国人は重要な働き手となってくれるだろう。しかし、現在は重要な資源である外国人の子どもへのサポートが充分でないことから、問題文中のデータからわかるように卒後の進路未決定率が約5人に1人と高い。これでは、外国人の労働力を活かしきれているとは言えない。そのため、国や自治体が率先して日本語教育を推進していくべきだろう。現在は日本語教育のボランティアやオンライン教材などもある。それらを活用して官民連携モデルで実施していくべきだ。しかし、日本語教育だけでは、少子高齢化社会における外国人の活躍は見込めない。なぜなら、現状、外国人だからという理由でいじめられたり、雇い止めを受けたりするケースが起きており、これらは国や政府による制度設計ではなく人々の意識の問題だからである。そのため、国や自治体だけではなく、多くの人が外国人を受け入れる共生社会を築いていくべきだろう。(494字)

よくある質問

ここまでの解説で、「こんな時どうするの?」と思った瞬間があった方もいると思います。
想定できる範囲ではありますが、その疑問への回答も残しておきます。

Q1 設問が複数に別れている時はどんな順番でとけばいいの?

問1問2・・と別れている場合は、問1でステップ1〜5を回すという方法ではなく、問1問2・・全てまとめてステップ1〜5を行うと良いでしょう。

つまり、ステップ4の構成メモを全ての設問に対し作成してから、ステップ5の清書を行います。

また、構成メモを書く順番ですが、必ずしも設問の順番通りに行わなければならない訳ではありません。
問題によっては、問3から構成メモを考えた方がいい場合、問1〜問3までを全て一緒に構想した方がいい場合もあるので、その順番は臨機応変に考えながら決めると良いでしょう。 

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございます!
今回紹介した解き方はあくまで1つの例です。

人それぞれ、自分に合った解き方がありますし、問題によってベストな解き方は変わると思います。

ですが、今回は初めて小論文を解く方向けに、またどの問題にも共通するように、細かく全ての手順を解説したので、1度この手順通りに解いてみることをお勧めします!

そして、慣れてきたらいくつかの手順をまとめて同時に行ったり、自分のオリジナルの解き方を発見してみたり、楽しみながら試行錯誤をしていってください。

一回一回の問題演習を有効的に使い、成長に繋げられるといいですね!

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この記事を書いた人

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