総合型選抜(AO入試)の面接・口頭試問ではここが見られている!「評価されるポイント」とその「対策法」および「質問例」をお伝えします。
総合型選抜(AO入試)の面接試験って、一体どんなものなの?
総合型選抜(AO入試)を実施する多くの大学で、二次試験に面接試験を設けています。
面接試験の目的は、受験生の人間性や志望動機などを評価すること。「この生徒は本気でその大学でも学びたいのか」試験官はじっくりと受験生を見定めていきます。
多くの場合、 1次試験で提出した志望理由書や活動報告書などをベースに面接が行われています。ですので、あなたが志望理由とした書いたビジョンへの熱量や、それを実現するためにこれまで取り組んできたものを教授に自己PRし、また自分に志望大学の学びが不可欠であることを自分の言葉で熱弁することが重要です。
もし学校や塾の先生に志望理由を考えてもらっている人がいるならば、この試験で見抜かれ、それ相応の結果が出るものと覚悟してください。
この記事では実際にルークス志塾の池袋キャンプ長が、よくある面接に関しての質問や悩みにお答えし、面接試験の全貌をわかりやすくまとめました!
面接の種類
面接と1口に言っても、いくつかの種類があります。
①個人面接
まずは、一般的な面接の形である個人面接です。1人の学生に対して1名~複数名の面接官が行う面接です。この個人面接が、一番スタンダードな面接と言えます。このコンテンツでは、主に個人面接について説明していきます。
②口頭試問
次に、口頭試問という形式があります。面接と同類のものとして説明されることが多いですが、将来設計や人間性よりも、学習意欲や思考力学力を図るための試験であることが特徴です。
③グループ面接
複数人の学生と面接官で行う面接です。特徴としては、自分だけが受験生ではないので、自分が質問されていない時間が存在するということです。ただし、その時間はぼーっとしていて良いわけではないので注意が必要です。
面接試験で見られている3つのポイント
面接の場で試験官が具体的に見るのは
1)思い 2)態度 3)マナー
です。それぞれ説明していきましょう。
面接官はここを見ている ①想い
面接で一番大切なことは想いが伝わることです。想いを効果的に伝えるポイントは以下の通りです。
自分にはたくさんの想いを詰めたつもりでも、試験官から見ればやる気がなさそうだったり、逆に自己PRしすぎて押し付けがましい印象を与えてしまったりすることもあります。
聞き方、話し方のポイント
それでは落ち着いて面接官の質問に答えられるように意識したい聞き方、話し方のポイントを紹介します。
■冷静に質問の意図を汲み取り回答する
面接官の質問の意図を汲み取るようにしましょう。例えば「部活動ではどんなことを頑張りましたか?」という質問があるとします。ここで面接官が聞きたいことは「この子は困難にどうやって立ち向かい、解決し、何を学んだか」ということです。なので、ただ「部活の練習を頑張り、県大会で優勝しました!」という事実だけではなく、その中でどういうように取り組んで、達成してきたかまで伝えるといいでしょう。このように面接練習時から”この質問では何を聞きたいのか”ということを意識して練習しましょう。
■情報は整理して答えよう
返答がダラダラと長くなってしまう受験生は多くいます。この原因は、伝えたいことをたくさん喋ろうとしたり、思いついたまま話してしまったりするためです。
基本的に、質問の回答は”端的に伝える”ことを意識しましょう。面接官は短い時間制限内であなたについてたくさん知りたいはずです。時と場合にもよりますが、1つの質問に30秒程度で答えるようにしましょう。
■回答は結論から述べよう
面接の受け答えのコツとして、結論から述べるということが大切です。理由や経緯から話し始めると「結局この話は何を聞けばいいんだ?」と面接官は思ってしまいます。
結論から述べるようにするため、以下の3つのステップを覚えておきましょう。 ①結論(質問の返答)を提示する ②理由・事例・エピソードを述べる ③理由などのまとめ、結論の再提示
どんな質問も3つのステップを意識して回答できれば、より自分の思いを伝えることができるようになります。
■わからないことを聞かれたら、前向きに学ぶ姿勢を見せよう
面接対策として、自分が受ける学部に関連する本や論文を読んでリサーチしておくことは必要です。しかし、教授は何十年も研究しているため、面接では受験生の知らない深い知識を問われることがあります。「わからないと印象が悪いかも」と思い、適当に誤魔化してしまう受験生もいますが、それは逆効果になってしまいます。
ではどうすればいいか。わからないことは「存じ上げませんでした」と伝え、前向きに学姿勢を見せることをしましょう。**例えば「そちらについては存じ上げませんでした。この面接が終わった後にすぐに調べてみます」と返答します。こうすることで、知らないことはどんどん学んでいくという積極性を見せることができます。
おすすめの練習方法
学校の予備校の先生にも模擬面接をお願いするのはもちろんのこと、それをビデオカメラやスマホのカメラで録画することも、有効な練習法の1つです。録画した自分の姿(マナー)を見ると、意外なクセや、気になるポイントが見つかったりします。そうした点を修正しながら、面接対策を行っていきましょう。
面接官はここを見ている ②態度
面接試験でのミスパターンとして、緊張で固くなりすぎてしまうことがあります。丸暗記してきた志望理由はスラスラ言えるのに、その他の質問に対しはカチンカチンになって何も言えなくなっては一大事です。
そこで普段から面接時の「態度」を意識していきましょう。「変に自分を取り繕うとしない」「教授との対話を楽しむ」「常に笑顔とハキハキした声」といったポイントが大事です。
教師は未来の教え子になるかもしれない受験生との対話を楽しみにしています。厳しいことを聞いてくるのも、愛情の一部です。厳しいこと聞かれても前向きに捉えていきましょう。
圧迫面接の対処法
大学によって、受験生に威圧的な態度を取ったり、あえて意見に反対したりしてくる圧迫面接が行われることもあります。ここでは圧迫面接への対処法を紹介します。
■圧迫面接を演じている教授もいる
圧迫面接は不足の事態にどう対処するかや、自分の意見を否定されたらどう対処するかという臨機応変さを見ていることがあります。そのため、試験官はあえて圧迫面接官を演じていることもあります(もちろん演技ではなく、圧迫してくる場合もあります)。圧迫面接にあったら「この面接官は圧迫面接官の役なんだな」と思うことで、少し落ち着いて対処できると思います。
■大学で学びたいことに対する知識を持っておく
面接官は「この生徒は本当にうちの大学で学びたいのかな?」ということを確かめたいです。そのため、面接官はどんどん受験生が学びたいと言っている分野についての質問をしてきます。ですので、面接官は圧迫のつもりはなくても段々答えられなくなり「圧迫面接だ!」と感じることがあります。
そこで自分が学びたいことへの知識を持っておくと、聞かれてることに答えられるので圧迫面接に感じません。また深くまで聞かれた時は「この面接官は自分に興味を持ってくれているから、ここまで聞いてくれるんだ」という意識を持つことで、気持ちも楽になるでしょう。
面接官はここを見ている ③マナー
面接対策としてまず必須なのが、「マナー」です。どれだけ良いことを言っていても、マナーが悪ければ印象が悪くなってしまいます。ここでは面接の流れと共に最低限のマナーを説明します。
【基本:2つ以上の動作を同じタイミングでやらない】
例えば「お辞儀」をしながら「失礼します」と発声するなどがこれに該当します。2つ以上の動作を同時にやらないことを意識するだけで、礼儀正しく見られます。特に入退室時は意識してみる様にしてください。
【入室】
ドアをノック。「どうぞ」という声がかかってから入室します。
扉を閉めた後に、「失礼します」とハッキリ言いましょう。その後、45度ほどの角度でのお辞儀をしたのち、椅子まで歩きます。
この時、大きな音を立てて扉を閉めないことや、靴を引きずった歩き方をしない、足音がうるさくならないように注意します。
【着席】
椅子のそばに立つと、多くの場合面接官から「名前と出身校、受験番号お願いします」と言われます。それらに大きな声で切りと答えましょう。
面接官から「どうぞお掛けになってください」と言われた後に、「失礼いたします」と言って椅子に座ります。この時、椅子に深く腰掛けるのではなく、浅く座って背筋を伸ばし、両手は膝の上におきます。
【面接】
どのような質問が飛んでこようとも、あせらず答えましょう。面接中も基本的に姿勢は崩さず、両手は膝の上。身振り手振りをつけるのはもちろんOKですが大げさになりすぎないようにします。
【退席】
「これで面接を終了します」と面接官に言われたら、すっと椅子から立ち上がって「ありがとうございました」とお礼を言います。速やかに、退室するまで扉まで移動しましょう。
【退室】
扉の前で面接官のほうを振り返り「ありがとうございました」と述べて、45度のお辞儀をして退室します。このようなマナーは学校の先生の指導方針などによって細部が異なります。しかし基本は上記のように考えていいでしょう。
面接当日の服装/髪型について
次は、面接当日に望ましい服装や髪型について紹介します。多くの受験生は大学受験で初めての面接試験を迎えるかと思うので、基礎的な部分について紹介します。
面接当日の服装で「自分らしさ」を押し殺す必要はない!
「総合型選抜(AO入試) 服装」などで検索すると、短いスカートやメイクが厳禁など、個性を潰すことを薦める記事が多い様に感じます。
しかし、総合型選抜(AO入試)とは人物の総合評価入試であり、あなたのキャラクター自体も評価対象となっています。無理に個性を押し潰す必要は全くなく、寧ろいつも通りの格好に少しばかりフォーマルさを加えれば良いと言えるでしょう。何より当日の服装で合否は決まりませんので、いつも学校行く様な格好で大丈夫です。
それでも当日の服装や髪型に不安がある方は、以下の推奨できる格好をご参考ください。
迷ったら制服がおすすめ
高校生の場合、基本的には制服を着用することが望ましいといえます。
そして高校が指定する夏服でも大丈夫なのが基本です。無理にブレザーや学ランを着用する必要はなく、念の為に手で持っていく程度で大丈夫です。
髪型については、男子は短めで前髪を上げることで清潔感が生まれますので、特に夏にはおすすめです。女子に関しても同様でピンやヘアゴム等で、髪の毛が顔にかぶらない様にすることで清潔感が生まれます。
既卒生や、高校に制服がない場合も、正装することが望まれます。髪型に関しても同上です。
冬の場合は、しっかり防寒を意識することが重要です。脱ぎ着できるアウターを持ちましょう。
ただ、面接中にアウターや手袋などの防寒具をつけることはマナー的に宜しくないので、インナーで防寒をする工夫をしていきましょう。基本的に面接室には暖房機器があるかと思いますので、そこまで心配はいらないかと思います。
面接練習で気を付けたい3つのポイント
①:礼儀作法を重点的に練習する必要はない
学校で対策を進めているみなさん。 礼の角度やドアのノック回数とか、礼儀について指導を受けている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、最低限礼儀を正す必要はありますが、難関大学の場合、礼儀が正しいからアナタ合格!!にはなりえません。
しかしながら、まだ歴史の浅い総合型選抜(AO入試)においては、学校の先生も何を指導したら良いかわからない状態となってしまっているのです。
合否の分かれ目は質疑の内容なので、礼儀作法を習得する時間は最小限にとどめ、自分の将来の夢・目標・大学で学びたいことをリサーチする時間に充てましょう。
②志望理由に関連する知識の補充に時間を割こう
多くの総合型選抜(AO入試)では面接試験の前に、志望理由書などのエントリーシートを提出しています。そこで、自分の志望理由と関係する分野の周辺知識を詰め込むことをお勧めします。
志望理由書で子供の貧困を題材として取り上げたのならば、そこから発展させて「子供の貧困がエスカレートしたらどのような二次的な問題が起きるか」「自分の市町村でその問題を打開するためにどのようなNPOが活動しているのか」など。対面式の面接練習は、関連知識と関連知識を組み合わせ、即興で自分なりの答えを導く練習をしてみましょう。
関連知識を身につける際には、「それに対して自分はこう思う」メモも制作
関連知識を身につける方法は、インターネットでの検索、書籍、テレビなど数多くの方法があります。あらゆるメディアを見て「ふんふん」と頷くだけでなく、インプットをしながら「自分の能動的な考え」を併せて考えてみることにも取り組みましょう。
Ex:「●●の問題を解決するために、〇〇というNPOが活動している」
→でも、このNPOがやっている方法には△△という新しい課題を生み出していると捉えることはできないだろうか。この問題を深刻化させないためにも、自分は□□すべきだと考える・・・
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総合型選抜(AO入試)の面接試験で出題された「質問事例集」を公開します!
実際に総合型選抜(AO入試)にて出題された質問たち。頻出のものは答える練習をしておきましょう。
面接試験での質問は、大学・学部また面接官によって様々です。しかし、「よく聞かれる質問」はあります。答えを丸暗記するのはオススメできませんが、想定内の質問にはある程度、準備しておきましょう。
なお、ここでは面接の序盤では肩慣らし的に答えやすい質問を、中盤で核心的な質問に入る、と想定していますが、序盤から核心に触れる質問をしてくる面接官も少なくありません。どちらであっても慌てずに対応しましょう。
【面接の序盤】
- 「簡単に自己PRお願いします」
- 「〇〇の出身なんですね。〇〇の問題点は何だと思いますか。〇〇の好きなところってどこですか」
- 「今日はどうやって会場まで来ましたか」
- 「今日以前にこの大学に来たことありますか」
- 「オープンキャンパスに参加しましたか」
- 「高校時代に打ち込んできた事はなんですか」
- 「最近何か気になるニュースはありますか。」
【面接中盤以降】
- 「なぜ〇〇大学〇〇学部を志望しましたか」
- 「他の大学ではだめなのですか」
- 「どうして志望理由に書いてあるような志を抱いたのですか」
- 「大学で具体的に何を学びたいですか」
- 「志望理由に関連する〇〇についてどう思いますか」
- 「大学でやってみたい事はなんですか」
- 「人生において最も影響受けた事はなんですか」
あくまでも、上記の質問は、ごく一般的な例で、大学・学部により、核心に迫る質問は、大きく違います。特に、教授が自分の志望理由に書いている研究内容の専門家である場合、より深く、専門的な質問をされる場合もあります。
また、質疑応答リストを作って丸暗記するなどの方法をとると、リストにない質問が出た時に動揺してしまったり、暗唱感が出て逆に不信感を与えてしまうので気を付けましょう。
最後に
ルークス志塾では、過去の受験生からの調査をもとに、東大、慶應、早稲田、上智始め、多くの国公立大・上位私大の面接・口頭試問データを保有しています。また、指導にあたる講師も、実際に総合型選抜(AO入試)や推薦で合格をした者であり、本番に即した模擬面接授業が可能です。
あなたの志望理由に関する「核心に迫った質問」を知りたい方は、一度無料相談会へお越しください。全てお答え致します。
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