慶應SFC小論文の過去問対策|2017・2019年度の7問を解説

「慶應SFCの小論文は、過去問をどのように分析すればよいのか」と迷う受験生もいます。
この記事では、一般入試の過去問から2年度を扱います。対象は、2017年度環境情報学部と2019年度総合政策学部です。
掲載中の記事を基に、設問の長い引用と未確認の解答例を整理しました。各設問で必要な作業と、答案を作る手順に絞って解説します。
ルークス志塾は総合型選抜の専門塾であり、一般入試の対策は原則として行いません。本記事は一般入試の過去問解説として読み、総合型選抜と混同しないでください。
この記事を読めば、7問の狙いを捉え、設問と資料を結び付けて練習できます。問題全文は、大学が公開する過去問で確認してください。
一般入試の全体像は、慶應SFC小論文の特徴と対策法で確認できます。
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2年度の過去問から確認する5つの力
2017年度と2019年度の設問は同じ内容ではありません。ただし、過去問を解く際に確認できる力は、次の5つに整理できます。
- 力1:設問の条件を分ける
- 力2:資料から必要な情報を選ぶ
- 力3:主張を根拠で支える
- 力4:複数の要素を構造化する
- 力5:問題の利点と課題を検討する
力1:設問の条件を分ける
長い設問には、複数の指示が含まれます。動詞、対象、字数、使う資料へ印を付け、必要な作業を箇条書きにしてください。
例えば「理由」「変化」「危険」「好機」を求める設問では、4項目すべてへの回答が必要です。本文を書く前に段落を割り当てます。
力2:資料から必要な情報を選ぶ
資料を最初から同じ細かさで読むと、設問との関係を判断しにくくなります。設問を先に読み、探す情報を決めてください。
文章には、主張、理由、具体例の印を付けます。図表では、題名、対象、単位、期間、増減を確認します。
力3:主張を根拠で支える
答案の結論には、資料から確認できる根拠を対応させます。図表の変化を書くだけでなく、変化から何を判断したかを説明してください。
自分の知識を使う場合は、資料から分かる内容と分けます。出典を確認できない数字や制度を、根拠として追加してはいけません。
力4:複数の要素を構造化する
研究会や資料を複数選ぶ設問では、選んだ要素を並べるだけでは不十分です。各要素の役割と、要素同士の関係を書きます。
時間の順、役割の順、原因と結果の順など、設問に合う並べ方を選びます。段落ごとに1つの役割を持たせてください。
力5:問題の利点と課題を検討する
社会の変化には、危険だけでなく利点が生じる場合もあります。誰にとっての利点か、誰が負担を受けるかを分けて考えます。
両方を書いた後は、自分の判断を示します。「一長一短である」で終えず、重視する条件と理由を説明してください。
2017年度環境情報学部の3問を解説する
掲載中の記事は、2017年度環境情報学部の問1から問3を扱っています。問4は元の記事でも省略されているため、本記事の解説対象に含めません。
問1:取り組みたい課題を約200字で説明する
問1では、入学後に解決を試みる課題や、発見したい内容を約200字で説明します。課題名だけでなく、取り組む理由も必要です。
最初に「誰のどの状態を変えたいか」を1文で示します。次に、現在の状態が問題となる理由を説明してください。
個人的な関心から考え始めても、ほかの人や社会との関係を示す必要があります。経験の紹介だけで字数を使わないようにします。
短い答案では、背景を広げすぎると結論が入りません。課題、対象、理由、目標の4項目へ字数を割り振ってください。
問2:10の研究会から4つを選ぶ
問2では、提示された10の研究会から4つを選びます。問2だけを見るのではなく、選択理由を説明する後の設問も確認してください。
最初に、問1で定めた課題を解くために必要な役割を書き出します。役割は、現状の調査、方法の設計、実行、検証などに分けられます。
次に、各研究会の説明へ、担当できる役割を短く記録します。名称の印象だけで選ばず、提示された説明を根拠にしてください。
4つの研究会が同じ役割に偏る場合は、課題解決の過程に不足がないか確認します。問3で関係を説明できる組み合わせを選びます。
問3:4つの研究会と目標の関係を約800字で説明する
問3では、研究会を選ぶ理由、履修方法、目標の達成方法を説明します。さらに、課題解決や新しい発見との関係も求めています。
設問を次の4項目に分けてから、段落を作ってください。
- 4つの研究会を選んだ理由
- 各研究会で学ぶ内容
- 学んだ内容を組み合わせる順序
- 組み合わせが課題解決につながる理由
冒頭では、4つの研究会へ持たせる役割をまとめます。本文では、役割ごとに何を学び、次の段階へどうつなぐかを説明してください。
独自性を出すために、設問と関係のない案を加える必要はありません。資料に基づく説明を完成させてから、自分の目標に合わせた使い方を書きます。
結論では、問1の課題へ戻ります。4つの研究会を履修した結果、課題のどの部分を明らかにするかを示してください。
2019年度総合政策学部の4問を解説する
掲載中の記事は、2019年度総合政策学部の問1から問4を扱っています。文章資料と複数の図表を対応させる作業が中心です。
問1:10のリスクと根拠となる図表を対応させる
問1では、提示された10のリスクについて、予測の成否を判断する根拠となる図表を選びます。根拠がない場合の指示にも注意が必要です。
最初に、10のリスクを行、図表を列にした表を余白へ作ります。図表を読むたびに、関係するリスクの欄へ記号を記録してください。
図表の題名に同じ言葉があるだけで選んではいけません。図表がリスクの発生、拡大、縮小のどれを示すかを確認します。
1つの図表が複数のリスクに関係する場合は、それぞれの関係を説明できるか考えます。対応の理由を短くメモしておくと、後の設問に使えます。
問2:1つのリスクを資料で約400字にまとめる
問2では、指定された3つのリスクから1つを選びます。資料のデータを使い、予測が成立したかどうかも含めて約400字で論じます。
先に結論を決めて都合のよい図表だけを探すと、資料全体と矛盾する場合があります。問1の対応表を見て、説明しやすいリスクを選んでください。
答案は、判断、図表の事実、事実の解釈、再判断の順で組み立てます。図表から読み取れない原因は、確定した事実として書きません。
複数の図表が異なる傾向を示す場合は、期間や対象の違いを確認します。違いを無視せず、判断が成り立つ範囲を限定してください。
問3:10項目以外の世界的なリスクを約200字で示す
問3では、資料で示された10項目以外のリスクを挙げます。環境問題と自然災害を除くという条件もあります。
最初に、候補が10項目や除外条件と重ならないか確認します。似た内容なら、何が異なるかを1文で説明できる候補を選んでください。
約200字では、話題を広げすぎると根拠が不足します。リスクの内容、影響を受ける人、起きる変化、重要だと判断する理由に絞ります。
答案で具体的な事実を使う場合は、正確に説明できる内容だけを選びます。記憶が曖昧な数字や固有名詞は使わないようにしてください。
問4:海氷面積の変化を4つの観点から約400字で論じる
問4では、北極海の最小海氷面積に関する図表を読みます。理由、変化、危険、好機の4項目を多面的に論じる設問です。
まず、図表が示す変化を、期間と方向を含めて説明します。次に、その変化が生じた理由を資料の範囲で述べてください。
危険と好機は、同じ立場から考える必要はありません。環境、暮らし、産業、国同士の関係など、影響を受ける対象を分けます。
4項目を同じ長さで書く必要はありません。ただし、どれかを欠かすと設問へ答えた文章にならないため、構成メモで確認します。
結論では、危険と好機を並べ直すだけで終えません。どの影響を重視するか、判断に必要な条件を示してください。
7問に共通する4つの解答手順
2年度の7問は、内容も字数も異なります。共通する4つの手順を使い、設問ごとの条件に合わせて調整してください。
- 手順1:設問の動詞と制限を一覧にする
- 手順2:資料の事実を1文で記録する
- 手順3:段落ごとの役割を決める
- 手順4:答案と設問を1項目ずつ照合する
手順1:設問の動詞と制限を一覧にする
求められた作業、使用する資料、字数、除外条件を分けます。条件が多い設問では、答案の横に確認欄を作ってください。
手順2:資料の事実を1文で記録する
各資料について、何を示すかを1文で書きます。自分の解釈は別の欄に置き、資料の事実と混ぜないようにしてください。
手順3:段落ごとの役割を決める
本文を書く前に、結論、根拠、検討、再結論の順で段落を置きます。設問に複数の問いがある場合は、各段落との対応を示します。
手順4:答案と設問を1項目ずつ照合する
書き終えたら、設問の条件へ番号を付けます。答案内の対応する文にも同じ番号を付け、答えていない条件を見つけてください。
過去問演習を3段階で見直す
過去問は、答案の完成後に分析すると学習材料になります。内容、構成、表現の3段階で見直してください。
第1段階:内容の不足を確認する
設問の条件、資料の根拠、反対の見方が入っているかを確認します。資料番号や図表の単位も原文と照合してください。
第2段階:構成の順序を確認する
各段落の最初の文だけを読み、主張の流れが分かるか確認します。話題が重なる段落はまとめ、役割が2つある段落は分けてください。
第3段階:表現の誤りを確認する
1文に複数の内容を入れず、主語と述語を近づけます。「思う」「感じる」だけで終わる文は、判断と根拠へ書き換えてください。
一般入試と総合型選抜の準備を分ける
本記事の2年度は、一般入試の小論文です。総合型選抜を検討する場合は、出願資格、提出書類、選考内容を別に確認してください。
一般入試の過去問で行う問題分析は、考えを整理する練習になります。ただし、一般入試の答案を総合型選抜の提出書類へそのまま使うものではありません。
ルークス志塾は総合型選抜の専門塾です。一般入試の対策は原則として行わないため、相談時には受験する方式を伝えてください。
慶應SFC小論文の過去問は条件の分解から始める
この記事では、2017年度環境情報学部の3問と、2019年度総合政策学部の4問を扱いました。問題全文と資料は、大学公開の過去問で確認してください。
受験生は、設問の条件、資料の事実、段落の役割を分けます。最後に答案と設問を照合し、条件の不足を直してください。
最後に
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